2018 年の iPhone XR/XS/XS Max そして今年の iPhone11 シリーズには物理 SIM に加えてソフトウェアの eSIM を書き込むことができる。
(香港・中国・マカオだけは物理 Dual SIM)
国内でも eSIM 誕生が期待されたものの、大手 3 キャリアは MVNO SIM と併用されることを嫌って完全にスルーしている状態だ。
「え、じゃあ絶望的なの?」という話になるのだが、見えないだけで日本の eSIM 市場は大きく動きはじめている。
海外事業者のサービスが日本で使える
たとえば前記事で Galaxy Fold に充てた香港キャリア 3 の eSIM は約 1,930 円で10 日間、無制限で使える優れたサービスだ。
ネットショッピングの感覚でパッケージを購入し、メールで QR コードを受信したら 2 分以内に開通する。しかも日本を含む 28 カ国で使えるためコスパは高い。
そのほかにも 1 日だけ、7 日間、15 日間、30 日間など様々なパッケージが販売されており、日本をターゲットにしたプランもある。
サイトによっては英語や中国語など言語の壁はあるものの、Google翻訳発達のおかげでほとんどは突破できるはずだ。
日本のどこに居てもローミングを通して iPhone の eSIM を活かすことができる。
海外事業者 VS IIJ mio の構図に??
ただし「いくら気軽とはいえ、やはり日本企業がいい。そして月額で決まったギガを使いたい」という人も当然ながらいるだろう。
国内では唯一 IIJ mio が iPhone 向けの eSIM サービスを展開していて、月額 1,520 円(税別)で 6GB 使うことができる。
まだプランが 1 つしかないものの日本語サポートや動作保証があることは当たり前ながら安心感があって始めやすい。
また月額課金であるためギガ単価は海外事業者のプリペイド型よりも割安なこともある。
最後に
このように国内の eSIM 市場はこれから始まるかのように見える。ただし冒頭で述べたようにまず大手キャリアは参戦する気がまったくない。
そのうえ eSIM 技術にアクセスできる MVNO はキャリア並の設備をもつ IIJ くらいで、ほかの MVNO はやりたくとも簡単には手を出せないのも現状だ。
そうなると「月額課金の IIJ mio」と「プリペイド課金の海外事業者」が事実上の eSIM 市場を構成していると言えないだろうか。
いまはまだ本当に限られた機種しか eSIM に対応しておらず、これを読んでいる人もイメージが湧かないかもしれない。
(物理SIM と eSIM による Dual SIM はトレンドになるかもしれない)
だが Android をふくめ eSIM が当たり前になれば、国内キャリアも IIJ mio や海外事業者の存在を度外視できなくなるだろう。
日本の eSIM 市場は国境を越えたグローバルで残酷な戦いになるかもしれない。
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