au WALLETカードが導入された2014年、「グッバイ、お財布」という、人々が財布から解放されるCMが公開され話題となった。貯めたポイントを現金として再利用できる仕組みは当時としては画期的で、キャッシュレス社会の流れをいち早く掴んでいた。
(ケータイオタクだと一人で10枚以上持ってたりする・・・)
その後は変化や改善が見られないまま、ただただ4年以上の歳月が流れた。そして12日、コード決済"au PAY"を発表。既に1,000億円の残高があると自信を見せるが、一見すると勝ち目はない。
①ユーザー数トップのドコモですら苦戦
auは4,000万人の契約者数を強みとして挙げた。確かに国民の3人に1人がauユーザーという話になるが、先行してd払いやdポイントを仕掛けたドコモは軽く6,000万人以上の契約者数がいるのだ。
(リアル店舗のみならず、Amazonで貯まるのは凄いと思う)
更にドコモローソンやマクドナルドなど大手企業と提携し、街中でポイントの付与・利用ができる仕組みを構築してきた。その同社ですら、PayPayを相手に苦戦している。市場がまだ発展途上とはいえ、auが出遅れすぎた事がわかるだろう。
②せっかくの強みはライバルが吸収済み
冒頭に書いた「貯めたポイントを現金としてチャージする」仕組みは、2014年当時は画期的だった。しかし、あれからLINE Pay、エポスカード、ソフトバンクカードなど大手が相次いで取り入れ、au walletの専売特許ではなくなった。
(エポスカードプリペイドはau walletと全く同じ仕組みだ)
しかもLINEとソフトバンクは、それぞれLINE Pay、PayPayを仕掛けるライバルではないか。2014年に未来を行き過ぎて人々が着いてこなかったのはわかるが、明らかに何もしなかったつけがまわってきた。
③楽天に任せておけば自動的に勝てる!!
ここまで見てくると、絶対に勝ち目がないと思う。ではどうするか。答えは「楽天Payの普及を待つ」こと。なんと、楽天ペイのコード決済が使えるお店ならau PAYも使えるらしい。
だったら、100億円規模のキャンペーンを2度も実施したり20%還元させたりする必要は全くない。そもそも参戦しないことで無駄な投資をしない戦略と思いきや、勝てそうな仲間を使って高みの見物とは、誰も想像できなかったのではないだろうか。