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大手キャリア、スマホ転売対策に本腰。中古市場は大打撃か。

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スマートフォンの中古市場が大きく変わろうとしている。

契約なしで手頃に買える白ロム、とりわけ未使用品の流通が激減しているのだ。

(SIMカードを入れればすぐ使える白ロム)

正規価格よりも安いことから白ロムショップやネット通販で購入する人も多い。いったい何が起きているのか。

今回は秋葉原を毎日チェックしている筆者の視点で解説したい。



厳しく制限される「一括1円」購入

白ロムが激減している大きな要因は、キャリアが一括1円などの特価品を1人1台までと厳しく制限し始めたことにある。

昔はショップが1人に何台か契約させ「不要であれば売却しても良い」と転売を促していた。そんな彼らが、ここにきて急にそれを問題視しているのだ。

(画像は2018年頃。かなり大判振る舞いだった)

ドコモ、KDDI、ソフトバンクは1人1台(180日に1回だけ)に限定。

(必ず書かれる1人1台)

購入者の情報はキャリアのシステムで管理され、中には化粧箱に名前を書かせて転売を防止する店舗も出てくるなど徹底されている。

こうなると未使用で売却することが難しく、秋葉原を中心に白ロムが2015年比で60%以上(筆者調べ)も激減しているのだ。

 

なぜ急に厳しくなったのか

それにしても白ロムの転売がなぜ急に敵対視されているのか。諸説あると思われるが「在庫を守って赤字を拡大させないため」というのが筆者の見解である。

2019年、改正電気通信事業法が施行され、キャリアはMNPなどの回線割引を2万円(税込22,000円)までしか提供できなくなった。

以前なら10万円のスマホを一括1円にすることはおろか、キャッシュバックを付けて販売することも許された。それが今や78,000円でしか販売できない。

当然ながら訴求力に欠けてしまい、魅力的に映らない。そこで考案した苦肉の策が「本体価格10万円のスマホを22,001円に設定する」という荒業。

(本体単体価格は22,001円に設定されている)

iPhoneのような人気端末も「最初から22,001円に設定」しておけば一括1円にできるし、国は口出しできないという魂胆である。

ところがうまくはいかなかった。22,001円のiPhoneを見て「本体だけください」と言われたら、その価格で販売しなければならないのだ。もちろん販売すれば大きな赤字。

だから今になって「転売は悪いことです」と声高に叫び「本体だけください」という顧客が減るよう威圧し、徹底的に在庫を死守しようとしている。顧客の言動、仕草、知識をみて転売目的か否かを判断し、利益になりそうな顧客を選りすぐっているのだ。

そして転売目的と判断されれば「在庫がありません」と急に態度を変えてくる。こんなことが今、街中のショップでごく普通に行われている。



これからどうなる?

大手MVNOのIIJ mioもキャリアの転売対策に追随している。今まで1人複数台購入できた特価品を1人1台に限定し、1回購入するとしばらく買えないシステムを導入。

楽天モバイルも白ロム購入に制限をかけ始めた模様。すこし時間を空ければ購入できたiPhoneが6月から強制的にキャンセルされるという報告が相次いでいる。

もはや転売防止=正義という構図が大きくなっていて、この流れは止められそうにない。かといってキャリアには販売ノルマがあるから、今後は2年後に返却するレンタルシステムが本格的に流行るかもわからない。

(お客様負担額1円と書かれた案件はレンタル)

まして円安によりiPhoneを中心とした海外スマホはより高額になる可能性があり、レンタルしてもらう形で出荷台数を伸ばすのが合理的と思われる。

ただしそうなれば白ロムは未使用品はおろか中古品ですら出回らなくなり、中古市場は大きく落ち込む可能性が否定できないのだ。

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