発表当時からスペック、対応周波数、発売後の不具合で酷評される Xperia Ace Ⅱ。
せめて実際に使って批評したいと思いヨドバシカメラ・アキバのドコモコーナーに足を運んできた。
(新規だと165,00円割引、MNPだとほぼ全額割引される)
本体価格は22,000円でXperia史上最安値。au回線からMNP一括10円でタダ同然。
解約違約金、転出手数料は0円。政府主導の料金改革で移行コストが安くなったのは有り難い。
さっそく使ってみたので第一印象をレビューしていく。結論から言うと「エントリーモデルのお手本」と言える完成度だ。
文句なしの質感、素材、デザイン
まずは外観について触れておこう。
Xperia AceⅡは全体的にマットな質感で仕上げられ大人びた雰囲気を醸している。
(やはり背面中央のSONYロゴはシックリくる)
四角い形状は握りやすく側面の指紋認証センサーはロック解除が速い。
(指紋認証センサーの上は音量キー、下はGoogleアシスタントを呼び出すボタン)
過去のモデルと比べて背面と側面に統一感があり、それが結果的に高いデザイン性を実現し今までにない新鮮さを生み出している。
(上面に3.5mmジャック、左側面にはSIMスロットを備える)
5.5inchの液晶ディスプレイ(HD+)はXperiaとしては珍しい水滴ノッチ搭載で賛否両論あるかもしれない。
ただディスプレイに占める割合は微小で、普段使いで気になる程ではないと思われる。
(Full HD+ではない点は心配したが、文字やアイコンの粗さが目立つには至っていない。)
という訳で外観に関して際立ったマイナス要因は見当たらない。
何より前提条件として販売価格が2万円と過去最安のXperiaであることやMNP一括10円である事を考慮すればチープ感がないだけで上出来ではないだろうか。
「最低限使える」のレベルが高い
では肝心の中身は言えば、もちろん多少なり動作はモッサリする。
しかしRAM4GBのおかげかアプリ起動や画面スクロールは一昔前のローエンドより高速で、普段使いにおけるストレスは然程感じていない。
(Twitterも満足に使えている)
ブラウザでの調べ物、Twitter等のSNS、Youtube等の動画視聴、LINE、音楽鑑賞、キャッシュレス決済など日常生活でメイン機種として使うのに困ることは無いだろう。
またカメラ機能にも注目したい。次の画像はXperia Ace2で撮影したもの。
食べ物に関してはAIが認識し、撮影後に美味しそうな画質に仕上げてくれる。
また近距離で物撮りする際は、ポートレート撮影のような事ができる。
少し暗くなったがまずは次の画像を御覧いただきたい。
(少しブレてしまっている)
背景ボケを調整しながら撮影するとAIが自動処理して次のようになった。
(発売直後のカメラ不具合はアップデートで修正済)
調整次第ではもう少し自然なボケを演出できるだろう。明るさや色合いを調整すればSNSに共有したくなる写真が撮れるはずだ。
ここまで外観、動作、カメラを見てきたが、本体価格2万円を前提にすれば評価ポイントは総じて高い。
この他Felica(おサイフケータイ)、防水・防塵、Wi-Fi a/b/g/n/ac、ゴリラグラス6、Android11に対応する。また4,500mAhの大容量バッテリー搭載で159gの軽量ボディはバッテリー持ちにも期待がかかる。
新しいファン層獲得に必須だった?
Xperia AceⅡはそもそもファン向けモデルではない気がしてならない。
実際この低スペックやソニーらしからぬ水滴ノッチを見て「新しい!」と喜ぶファンはどれだけいるのか疑問だ。
それに今年はミドル価格帯のXperia10 Ⅲ、旗艦モデルのXperia1Ⅲを含めて3機種がラインアップされている。
いわば松竹梅であり、松竹をファン向け、梅をXperiaを触った事がない「潜在的顧客」を狙った物と考えられないだろうか。
(それも中古市場を利用しないショップ派の顧客層がターゲットになりそうだ)
それはソニーの決算状況からも説明できる。2020年度ソニーはモバイル部門で黒字化を達成するも、主たる要因はコスト削減や端末の粗利益を高めた結果によるもので出荷台数は10年間下がり続けている。
黒字化を達成した今、次なる目標は出荷台数のV字回復。1円でも1台、10万円でも1台なら目標達成にはAceⅡを1台でも多く売ることが必須条件になってくる。
そして気に入ってくれた人には将来的に上位モデルを買ってもらう。これがソニーの描いたシナリオではないかと筆者は考えている。
少しながくなったが、2日間の利用では「理想的なエントリーモデル」と言える。引き続きバッテリー持ちや気づかなかった点などもレビューしていきたい。
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