2022年12月、中国スマートフォン大手のOPPOが2つのフォルダブルスマホ「OPPO FIND N2」と「OPPO FIND N2 Flip」を発表した。
今回、まめこモバイル様のご協力で横折りタイプの「OPPO FIND N2」を入手できたのでレビューしたい。
フォルダブルといえばGalaxy Z Foldシリーズが圧倒的な存在感を示しているが、OPPO FIND N2はまったく新しい角度から攻めており全てが新感覚である。
底上げされたハイエンドスペック
まずはスペックと外観をみていこう。
OPPO FIND N2はSnapdragon 8+ Gen 1、ROM 256/RAM12GB(または512GB/16G)搭載のハイエンドで、7.1インチ有機ELディスプレイを採用する。
(フォルダブルの中ではもっとも取り回しやすい)
5000万(メイン)+4800万(広角)+3200万画素(望遠)3眼カメラ、3200万画素インカメラ、Wi-Fi a/b/g/n/ac/ax、顔認証・指紋認証、NFC、デュアルスピーカー、Color OS13(Android13ベース)等に対応。
メイン・サブディスプレイ両側が120Hzリフレッシュレートに対応し、操作性は驚くほどに滑らか。
スマホの性能をしめすAntutuベンチマークは100万スコアを凌駕しており、重いゲームや3D処理もサクサク。
新しくペン入力も可能になるなど新たな領域を攻めつつ、耐久性がユーザー体験が大幅に見直された。
(本体下部にSIMカードスロット)
(右側に指紋センサーと音量キー)
(ディスプレイを下にして広げた図)
デュアルスピーカーも迫力あるステレオサウンドで、映画やYoutubeを存分に楽しめる。
しかもディスプレイを曲げてスタンドのように立てると動画コンテンツが片側に移動し、テーブルやベッドの上で観やすくなって便利だ。
専用のペンがあればノートとしても利用できるのだが、現時点では手に入らないので割愛する。
主役級のサブディスプレイが新感覚
さて改めて全体を見ていこう。OPPO FIND N2でもっとも印象的だったのがインチの大きなサブディスプレイ。これだけ見ると普通のスマートフォンのようである。
それもそのはず。ざっくりとした比較だが横幅はiPhone14 Proと同等で、片手での操作がごく自然に行える。
またヒンジ部分はGalaxy Z Fold4と比べて薄く、他社フォルダブルより圧倒的に取り回しやすい。
(左がGalaxy Z Fold4、右がOPPO FIND N2)
過去にもサブディスプレイの大きなフォルダブルはあった。例えばHuawei Mate Xsが該当するが、ディスプレイもヒンジ部分も大きすぎて片手操作は難しかったのを覚えている。
(画像はHuawei Mate Xs)
「Galaxy Z Fold4」もシリーズを通して片手操作はだいぶ改善された。だが目に入ってくる情報量の差、取り回しやすさ、親しみやすさは「OPPO FIND N2」に軍配が上がるだろう。
ラインナップはブラック、ホワイト、グリーンの3色。いずれもデザイン性がたかく、性別や年齢問わず幅広いユーザー層に訴求できそうである。
とくにフォルダブルが初めての人には入りやすいはずだ。
カメラはアップデート修正が待たれる
閉じた状態でもディスプレイが大きいため、カメラ体験はとても楽しい。被写体はボケやすく全体的に明るい仕上がりになる印象だ。
ただし、たまに被写体の色が現実離れすることがある。例えばアイスコーヒーを撮影したら次のようになった。
周囲の色もバグったように暗い。筆者だけかと思ったが、赤やオレンジ色がつよく出る現象は他のユーザーにも起きているようで、アップデート修正を待つしかない。
また最大20倍ズームが可能であるが、補正されないので実用性は懐疑的である。
コンパクト故のデメリットも
デメリットも見ていこう。コンパクトになった分、縦長に適したコンテンツはすこし物足りない。
例えば電子書籍はフォントや行間を調整すれば普通に楽しめるが、やはり縦長のGalaxy Z Fold4と比較して目に入ってくる情報量が少ないことに気がついた。
(慣れれば問題ないかもしれない)
とくに視力の弱い人は文字を拡大すると、ページ全体の文字数が少なくなるため購入に際して読書を重要視する人はよく検討した方がいいだろう。
ならば縦にすれば良いのだが、アプリのサイズが最適化されておらず次のようになる。
こうした荒業を気にしない人はいいが、しっかり読み込みたい人は不満かもしれない。他にも最適化されないアプリがおおく、人によってはデメリットになると考えられる。
動画、写真、SNSメインの若者に
まだ中国大陸版しかリリースされていないため、グーグルサービスが一切入っていない。手動でアプリをインストールしなければならず万人にはお勧めできない。
しかし仮にグローバルや日本国内版がリリースされれば多くの人にお勧めできる。
とりわけ写真撮影、動画撮影、SNSをメインにする若者にピッタリではないだろうか。
(通知は設定で来るようになった)
価格は20万円以下でとどきやすく、軽くて持ち運びやすいから活動的な人でもメイン機種になりやすい。
いっぽうで大きな文字で読書をしたり、ニュースサイトでしっかり情報を得たい人はGalaxy Z Fold4がいいだろう。
(Gboardをインストール。フリック入力が捗る)
どちらが優れているという話ではなく、目的別にフォルダブルを選べる時代がやってきたようだ。これは是非グローバル市場での発売が望ましい。
リンク:まめこモバイル様
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