ここ数日、LINEピンポンが話題のLINE PAY。「キャッシュレス社会の普及に向けて頑張ってるな」くらいの感想を抱いていたのだが、さらなる施策を打ち出してきた。
(関連記事:キャッシュレス普及の突破口になれるか!?LINEピンポン考えた人が頭よすぎる話・・・)
なんと、QRコードで決済した場合に限り、決済金額の3%が還元されるというのだ。しかも、今月から始まったランク別に貰えるポイントに加算されるため、最上位のグリーンの人なら+2%、下から2番目のレッドの人ですら+0.5%貰える。
(参照記事 Engadet Japan:LINE Pay、決済手数料ゼロに。小規模店のキャッシュレス化推進 QRコード限定)
半ば行き過ぎた高還元率なのだが、そんな短期的にキャッシュレス化が進むのだろうか。かなり主観が入るが、泥沼の戦いになる気がしてならない。
①既に乱立している既存勢力の現状・・・
大手ではGEOグループ、ローソンなどが先駆けてLINE PAY QRコード決済を導入してきた。マクドナルドでも導入予定という事から、利用される頻度、認知度、ともに向上しているだろう。
ただし、Suica、iD、Edy、WAON、nanaco、QUICPayと言ったFelica勢力が不揃いながら普及しているのも事実。そして、その普及している電子決済利用者が1割にも満たないというのもまた事実なのだ。
(参照記事:世界の決済事情から考える「日本でモバイル決済が普及しない理由」)
LINE PAYはFelica不要で使える点がたしかに便利だが、日本で10年以上前から存在する一連の電子マネーがここまで利用されないのだから、LINE PAYが如何なるキャンペーンを打ったところで、短期的に伸びるとは思えない。
②楽天やSONYですら苦戦する現状・・・
楽天といえば現在進行系でRakuten PAYやEdyを普及させているが、Apple PAYではEdyが利用できないのをご存知だろうか。楽天カードをiPhoneに登録すると、どういうわけかQUICPayに変身してしまう。Edy、WAON、nanacoなどは同じFelica規格であるにも関わらずiPhoneで利用できない。
(日本では力のあるEdyがiPhoneでは利用できない)
(Edyはあるが今度はSuica、nanaco、WAON不在のwena wrist)
また、腕時計のバンドに電子マネーを備えるwena wristも、Suica、nanaco, WAONがいつまで経っても揃わない。搭載されれば爆発的に売れるのは開発陣もわかっているだろう。それをさせない何かが動いているとしか考えられないのだ。
最後に
「よし、電子マネーを使ってみよう!」と思っても、その規格がiPhoneやwena wristで使えなかったり、使えたとしても店舗が対応していないなど、消費者の落胆が絶えない日本。
そんな中に最高5%ものポイントを付与して大丈夫なのだろうか。しかも今月から加わったポイント付与上限の10%も撤廃されるらしい。これがキャッシュレス普及の突破口になるか、それともLINE PAYを知り尽くした人が甘い汁を吸うだけの結果になるか。1年後くらいには結果がでているのではないだろうか。
(トップ画像:今は販売中止となった、かつてコンビニで入手できたLINE PAYカード)