ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルが「eSIM」に対応し2018年以降の全てのiPhoneでnDual SIM利用が可能となった。
(基本的にnanoSIM+eSIMでiPhone13シリーズはeSIM+eSIMも可能)
設定不要なキャリアSIM同士であれば、切り替えて簡単に利用できる。しかし一方で「APN構成プロファイル」が必要になるMVNOはとても不便になる。
(MVNOユーザーならよく目にする構成プロファイル)
例えば「キャリアSIM + MVNO SIM」の構成ではMVNO向けの構成プロファイルが干渉して、キャリアSIM側でデータ通信ができないなんて事が起きる。さらに2枚ともMVNO SIMになる最悪だ。
構成プロファイルは1個しかインストールできないから、異なるMVNO 2枚利用は日本において非現実的なことである。そして次にかく理由からアップルは対応してくれない。
AppleはAPN 設定を開放している
そもそもアップルはiOSのAPN欄を自由に編集できるよう開放している。実際、色んな国を訪問したが基本的にどこの国でも現地のSIMカードに合わせてAPNを編集できた。
APN設定はオフラインでの作業が可能。構成プロファイルと違ってWi-Fiが不要なのは便利である。設定はSIM1とSIM2で別れているから、プロファイルが干渉することもない。
アップルは本来、こうしたDual SIM環境を提供しているわけだ。(APNはキャリアが許せば編集できる」という旨を解説している)
日本ではAPN編集ができない
ところが我が国ではAPN設定をキャリアが許さず封じている。だから通信事業者によっては「構成プロファイルをインストールしてAPNを上書きする必要があるわけだ。
この状況をアップルに訴えたところで「当社としては開放している。キャリアに言ってほしい」という話になるだろう。
じっさいネットワーク問題でアップルに問い合わせると「キャリアに相談してください。アップルはハードウェア担当です」と問題を切り分けられる事が多い。
これは総務省案件か!?
APN設定をキャリアが封じる理由は何だろう。昔ならテザリング項目を塞いでおく目的が考えられた。だが2021年現在、そこまでこだわるキャリアはau、ソフトバンク本家ブランドくらいではないだろうか。
楽天モバイルに至ってはアップルの正規代理店になる2021年4月までAPN設定が自由にできた。わざわざ既存3キャリアに足並みを揃えたのは非常に残念である。
繰り返すが構成プロファイルはもう片方のSIMカードに影響が出やすく、とくにデータ通信の切り替えに支障をきたしやすい。
これに関して総務省が動いてくれると嬉しいのだが、何でもかんでも国が動かない限り対応しない日本の通信キャリアは本当にどうかしている。
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