今年の春に日本通信から登場したものの、音声やSMSがなくイマイチ盛り上がりに欠けていたSoftbank MVNOの開幕SIM。今月に入りようやく音声付きが登場。早速ゲットして開通したのでレビューしたい。
①実に感慨深い
SIMカードの色が灰色!SoftbankのiPhoneやiPadといえば「黒」と相場が決まっているだけに何とも新鮮に感じる。新しい何かが始まりそうな感覚だ!
パッケージに沿って日本通信のサイトへアクセスし、構成プロファイルを入れる。普通のMVNOと使い方は何ら変わらない。
MVNO専用という記述が非常に感慨深い。
②使い心地は快適そのもの
(平日の12時〜14時、21〜22時まで定点観測したが常に高速だ。)
特に利点と言えるのは昼夜のピーク時に低速にならないことだ。昼の12時や夜の9時など非常に遅く「イライラする」という現象が嫌でキャリアに戻りたいと考えている方には向くのではないだろうか。
速いのはスピードテストだけでなく、体感としてわかる。無論、YouTubeの再生も問題ない。これはいい意味で予想外だった。
③いいところ、悪いところ
では、こんなにも快適に使えるSIMのメリットとデメリットを挙げるとすれば何だろうか。まずはいいところから見ていこう。
・専用アプリから通話すれば毎回5分まで通話料無料
なんと、通話定額がついてくる。実は筆者の誤解で、この通話定額オプションは月額500円かかると勘違いしていたのだが、どうやら料金に含まれている。
専用アプリが必要とはいえ、毎回5分は大きい。小さな用事であれば事足りるし、電話代を圧倒的に抑えることができる。
・iPhoneの白ロムが比較的安く手に入る
docomo回線を利用した格安SIMは多数存在するため、白ロムの人気も値段も高い。一方でSoftBankは格安SIMが存在せず需要がないため値段が安かった。実際、今もそうだ。
例えば今日現在、SoftBank iPhone SE 16GBは未使用品で2万円台で手に入る。これがdocomo版であれば1万円以上は高いだろう。しかもiPhone5など5年前の機種までもが使えるため、導入コストはやはり圧倒的に安い。
・ピーク時の時間帯にも強い
先程書いたことだが、「もう少し高いお金を払うから、キャリアよりも安く安定した格安SIMが欲しい」という人のために存在すると言っても過言ではないだろう。
・Androidでも利用可能
あくまでもiPhone用という商品なので公式に謳われてはいないが、SIMフリーのAndroidスマートフォンでも利用が確認できた。しかもiOS以外ではテザリングが使えるのが嬉しい。
ということで、iPhoneでもAndroidでも使えて使い勝手も申し分ない。デメリットは敢えて挙げるが以下の項目くらいだ。
・iPhoneやiPadでテザリングができない。
・他の格安SIMよりも料金が若干高い。
・Wi-Fiスポットがない。
・従量制のみで1GB、3GBなどの選択肢がない。
(出典:日本通信公式HPより)
他の格安SIMより若干高いのは致し方のないことだろう。Softbank回線を利用したMVNOが日本通信しか存在しないためキャリアへの接続料金が高く、下げたくとも下げられない。
ただし裏を返せば通話定額やピーク時に強い事を考えれば納得出来る料金なのではないかとも考えられるだろう。
④どんな人向けか?
なかなか難しいのが正直なところ。ひとまず言えるのは「ピーク時に遅くなる格安SIMが嫌だ」という人にはお勧めだろう。更には家に昔のSoftBank iPhoneが眠っていたり、端末導入費を安く済ませたい方にはお勧め。
最後に
簡単なレビューを書いたが、競合他社を考えなければ非常にいいSIMだと思う。他社より若干高くともピーク時のイライラがなく、通話定額があるのだから価格なりの価値は十分にあるだろう。
じゃあ手放しにお勧めできるかと言われると、簡単にYesとも言えない。そう、ワイモバイルという不都合な相手が存在するからだ。次は料金面なども含め本当にお勧めできると言えるのか掘り下げて検証していきたい。