海外に行かれる方に「どのSIMフリースマホがいいか」と相談を受けるのだが、SIMフリーiPhone6(またはそれ以降)と答えるようにしている。
iPhoneは世界中の電波のアンテナを広く備えており、日本のApple Storeで発売される物に関しては特に優秀だ。しかし「iPhoneは高すぎて予算オーバーする」という声もある。
今回は、「電波が特殊な地域」と「それをカバーできるAndroidスマホ」に関して触れたい。長ければ何度かに分けようと思う。
①世界で幅広く使われるLTEおよび3G周波数
読む気が失せる人も出てきてしまうので大雑把に書こう。アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカ、オセアニア。世界は広いが電波の性質は似通っていて、どの国も世界規格に沿って似たような電波が使われている。
4GをLTEとよぶ事がしばしばあるが、具体的にはLTE Band1, 3, 8辺りが多く、 3G方式では Band1と呼ばれる電波帯が主流だ。もちろん日本でも使われている。
だから、これらの国に行かれる方は本当に使いたいと思うSIMフリー端末を使う事ができるのだ。去年大ヒットしたHuawei P10 liteでもいいし、中古で1万円前後で転がっているASUSのZenfone2シリーズで全く問題ない。
②問題なのは北米、南米に行かれる方
逆にカナダ、アメリカ、アルゼンチンなどアメリカ大陸では通信方式が同じにも関わらず電波帯が若干異なる。LTE・3Gともに周波数 Band2, 4が一般的。
そして興味深いことに、格安スマホと呼ばれるものの多くがアメリカ向けのアンテナを搭載していないのだ。
例えば先ほど例にあげたHuawei P10 liteなどのミドルクラスでは間違いなくBand2、B4が欠けている。4Gだけでなくアメリカで3G Band2すらも非対応。
そう、1~2万円で入手可能な多くの格安スマホはアメリカ大陸にほぼ非対応なのだ。
②アメリカまで網羅するSIMフリー端末は総じて高い
「じゃあ、高いSIMフリースマホなら大丈夫なのか?」と言われれば意外と答えYesで、価格帯が5~6万円を越えると一気に選択肢が広がってくる。
Huawei公式から抜粋したHuawei P10という上位機種。LiteにはなかったBand2、4をLTE/3Gともに搭載している。ちなみに価格は今日現在で最安が52,200円(価格com参照)
ここまでのまとめ
ちょっと話が複雑になってきたので、今回はここまでにしたい。アフリカ、ヨーロッパ、中東、アジア、オセアニアなど幅広い地域で似たような電波が使われている。
これらの国に行かれる方はSIMフリースマホ選びが非常に楽。一方でアメリカ大陸へ行かれる方はBand2および4を搭載したスマホが必要となり、これが意外と高いという話。
次回はもう少し話を広げて、海外で利用することを想定したSIMフリースマホに関して書いていきたい。