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ドコモ最強説が崩れる本質的な理由。「経済圏」と「サブブランド」の欠如

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携帯電話料金の値下げを余儀なくされたキャリアは今後どうやって収益を上げるのか。

ひとつ間違いなく言える傾向は「経済圏」の構築だろう。経済圏とは自社 EC サイト、クレジットカード、銀行、キャッシュレス決済、ひかり回線、でんきなど携帯電話以外のサービスを複数利用してもらうこと。

代表例が楽天経済圏で同社のサービスを利用すればする程、楽天市場でのポイント還元率が増えていく。

この方法が功を奏し 2020 年度(1月~12月)における楽天市場の売上は 3 兆円を突破。楽天カードの発行枚数は 2000 万枚の大台を越え、楽天証券はまもなく野村證券を抜くほどの勢いである。

随所に伸びしろを残す同社は携帯電話を確実に成功させなければならないのだ。

では KDDI とソフトバンク、ドコモはどうなのかどうなのか見ていこう。



しっかりとした経済圏を構築中

KDDI もまた EC、銀行、クレジットカード、でんき、ひかり回線、キャッシュレス決済等で自社経済圏を強く意識している。まず EC サイトは au PAY マーケットを用意。

(au スマートパスプレミアム会員は送料無料。ポイント還元率も楽天同様にアップしていく)

キャッシュレス分野では au じぶん銀行、 au PAY カード(プリペイド)、 au PAY コードが連携。チャージ、送金、決済を 1 つのアプリで一元管理できるまでに進歩した。

マイナーかと思われた au PAY コード決済は楽天ペイの使える場所で互換を持ち、楽天モバイルとの業務提携効果がしっかり現れている。

さらに使い道の乏しかった au ポイントは ponta と互換を持ちリアル店舗で使ったり au PAY にチャージするなど申し分ない汎用性を手に入れた。

なにかで頭一つ抜きん出ている訳ではないが経済圏の土台は盤石になりつつある。

 

最強のソフトバンク

続いてソフトバンクもみていこう。EC にはヤフーショッピング、ヤフオク、 PayPayフリマなどがそろう。

PayPay といえばユーザー数が 3500 万人を突破してコード決済における覇権を掌握。 2020 年秋からは既存サービス名の統一にまで波及しており PayPay(ソフトバンク)経済圏が出来つつある。

携帯電話事業も順調だ。とくにサブブランドのワイモバイルは単体で 500 万契約を越えており、料金引き下げで 2 回線目は 990 円で持てるようになった。

しかも 60 歳以上なら 24 時間の通話定額が  770 円のオプション料金だけで利用可能。

3 人に 1 人が 65 歳を越える日本ではまだまだ伸びるのではないだろうか。



サブブランドも欠如のドコモ

さてここまで楽天、KDDI、ソフトバンク各社の経済圏構築をみてきた。これが大手3社(グループ)の次なる収益構造だとすればNTTは寒いことになっている。

まず経済圏のカギとなる EC サイトを持っていない。Amazon やメルカリと連携する要因のひとつと言えるだろう。

ドコモのギガプランを契約すると 1 年間プライム特典がついてくるのだが 2 年目からは 4,900 円の年会費が発生するため根本的な解決にはなり得ない。

またキャッシュレス分野の要になる自社銀行も持っておらず、三菱UFJ銀行との提携を表明するに留まっている。(不正利用で有名になった「ドコモ口座」は銀行ではない)

通信分野では ahamo にも弱点が見えてきた。意外にもサポートを求める声がおおく結局ドコモショップでの有料サポートが開始されている。

au とソフトバンクはそれぞれ店頭・電話サポート付きのUQモバイルとワイモバイル、いわば「サブブランド」があるため値下げを希望するユーザーを簡単に誘導できる。

しかしドコモにはサポート付きサブブランドがないため ahamo に自信を持てないユーザーを囲いこむ手段がほかにない。

このように経済圏の構築だけでなくサブブランドの欠如においてドコモはとても弱く、もはや最強と言われるのは契約者数だけである。5 月 19 日に発表会を行うようだが、なにか前向きな答えは出てくるだろうか。

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