昨日、ソフトバンクのiPhone SE第2世代およびPixel 4aがお買い得になっていた件を書いた。
せっかくなので筆者も1台購入。そして帰宅するとSIMロックが解除されている事に気づく。
(解除手続きを忘れたままドコモSIMを入れたら認識した事から発覚)
「あれ?」と思い調べてみると「SIMロック解除」に関して以下のページに辿り着いた。
(ただし分割契約の場合は101日間のロックがある模様)
2021年5月12日(水)以降に購入したスマホは「SIMロックなし」で提供されていたらしい。
しかも「お客様の申し出不要」という点に注目したい。ドコモやauがここまで踏み切らない中、総務省の方針に消極的なソフトバンクがなぜ今回だけやる気なのか。
結論から書くと「悪しき習慣を撤廃しブランド間の移行を円滑化させるため」と言えそうだ。
ソフトバンクだけ難しいブランド間移行
この春、政府の値下げ要請をうけて大手3社は20GBの新料金プランを開始した。
(ドコモはahamo、KDDIはpovo、ソフトバンクはLINEMOの新プランを打ち出した)
ドコモからahamo またはauからpovoはウェブ手続を終えればほぼ終了。SIMカード変更もSIMロック解除もせずに今のスマホを2,000円台で使い続ける事ができる。
auからUQモバイルはSIMカードこそ変更となるが今の端末に挿しかえれるだけでOK。
(しかもauとUQは1つの店舗に統一され始めていて、スタッフが乗り換えを手伝ってくれる)
つまりドコモとKDDIは料金引き下げの障壁がそんなに高くないのだ。その一方でソフトバンクはこんなに簡単ではない。
LINEMO移行はSIMカード変更を伴い、その上で手持ちのソフトバンク端末はSIMロック解除しなければ動作しない。
(iOS14.5以前はAPNプロファイルの設定まで必要だったから一般の方には難易度が高かった)
ワイモバイルへの移行もやはりSIMロック解除が必要で、ドコモやKDDIと比べて料金引き下げの障壁が大きいと言わざるを得ないのだ。
せっかく実現したブランド間移行手数料無料が台無しになっている。
(せっかくブランド間移行が無料なのにSIMロックが障壁となっている)
「キャリア内SIMロック」という負の遺産
なぜソフトバンクだけ同じ会社なのにSIMロック解除が必要なのか。
それは同社が過去10年以上に渡ってiPhoneとAndroidでSIMカードの種類を巧みに分けてきた事に由来する。
(左からSIMフリー端末用、ソフトバンクAndroid端末用、iPhone専用SIM)
同じ会社のSIMカードなのにiPhoneからAndroid、AndroidからiPhoneに挿しかえても利用できない「キャリア内SIMロック」とも言われる仕組みが存在した。
中古スマホや他社スマホを利用させず、すべてをソフトバンクショップに依存させる仕組みと言っても差支えない。これがブランド間移行においてはマイナスにしか作用しないことに気づいたのだろう。
(ソフトバンクからワイモバイルへの乗り換えも相次いでいる)
つまり「LINEMOに移行したけれど電話やネットが接続できない」とか「SIMロック解除とはそもそも何なのか」といった問い合わせが通常業務に支障がでる程に殺到した可能性が否定できない。
野放しにしておけば本来得られるはずの新規契約獲得のチャンスすら逃すだろう。
ならば最初からロック解除を外して、それに関する質問が一切来ないようにした方が顧客にもソフトバンクにもプラスに作用するという結論に至ったと考えられないだろうか。
(現在10,000円相当あげちゃうキャンペーンを実施中のLINEMO)
もちろん2021年10月の「SIMロック原則禁止」を見据えた動きと捉えることもできよう。
しかしこれだけ早期にSIMロック解除なしを実現した背景には「キャリア内SIMロック」が顧客の料金引き下げの障壁となった事が大きく関係している気がしてならない。
これを機にぜひ悪しき習慣を根こそぎ是正してもらう事を願ってやまない。
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