東京都千代田区を歩いていると、高い時給でアルバイトを募集するお店が増えてきた。
全国チェーン大手のサイゼリヤ、ケンタッキーをはじめ、秋葉原では有名な風龍ラーメン、イオシスでは1300円スタート。
秋葉原に賃上げの波!サイゼリヤやKFCで働こう😊 pic.twitter.com/RDSO4ZQX7I
— Skyblue@バンコク (@skyblue_1985jp) April 21, 2023
さらに居酒屋「新時代」では1400円の最高値を観測した。物価上昇が止まらない中、給料も上がることは望ましい現象。
しかしこの賃金インフレにまったく追いつけない企業も多数存在しているのだ。
凄まじい格差、最低賃金で募集するお店も
例えば大手コーヒーチェーン「エクセルシオール」では4月28日現在、時給1072円で募集している。
この数値は東京都の最低賃金であり、人材募集に余裕が見られない。しかも募集ポスター前には冒頭に挙げたサイゼリヤの看板が置かれており1300円を謳っている。
10~50円程度の差であれば企業イメージや業務内容で選ばれるだろう。しかし200円以上の差が開いてはサイゼリヤに人材が流れるのは自明である。
足元ではコロナ明けで外国人観光客が急増しており、大型連休に備えて人材を揃える絶好のチャンス。それだけに最低賃金しか払えないのは死活問題だ。
撤退か、異次元の物価上昇か
賃金を上げられない理由は企業により様々。単純に経営体力がない企業もあれば、本部の許可なく値上げできないチェーン店もあるだろう。
ただ、いずれにせよ固定コストを商品に「価格転嫁」できなければ「撤退」の二文字しか見えてこない。
そして価格転嫁は10円、20円といった次元では済みそうにない。
成功している例を挙げるとJR秋葉原駅近くの「キーズカフェ」という喫茶店があるのだが、以前コーヒー1杯を240~280円で販売していた。
しかしある日、突如として1杯480円に改定。それから1年以上が経過したが、今でもピークタイムは毎日満席だ。
この賃金インフレを生き抜くには、これくらいの判断が求められているのかもしれない。
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