昨日の記事でも書いたが、サムスンの「Galaxy S24」シリーズが4月11日より国内で発売される。
今年はSIMフリー版の同時発売が発表され、スマホファン界隈は大騒ぎ。注文も殺到しているようで、早くも1ヶ月待ちのようだ。
SIMフリー版の同時発売は10年以上も前から切望されていた。それが何故ここに来て実現できたのか、今回は筆者の視点で考察してみたい。
キャリアの影響力が急速に弱まった
結論から書くと、通信キャリアの影響力が急速に弱まったことが挙げられる。従来サムスンは端末をドコモやKDDIに一括で買い上げてもらい販売を委ねていた。
キャリアは大規模な割引キャンペーンを繰り返し、新しいモデルが登場するまでには在庫を捌く力を持っていたのだ。
(過去の画像より。10万円の商品が2万円に)
しかし2022年以降に状況は一変。空前絶後の円安と物価上昇により、端末価格は10~20万円が当たり前となり、追い打ちをかけるように割引規制が実施された。
以前のような一括販売は激減し、端末販売は2年後に返却するレンタル方式がすっかり主流となってきた。読者の皆様にはすっかり馴染みのある利用方法だろう。
しかし一般的にはまだまだ敬遠される傾向にあり、端末売上は大きく落ち込んでいるという。つまりキャリアの販売力や影響力が落ち込み始めたのだ。
Google Pixelの台頭
通信キャリアの影響力低下に加え、SIMフリー版同時発売の原因とも言えるのが「Google Pixel」の存在である。
大手3社が一斉に扱ったことで注目され、2023年には国内シェア10%を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いでシェアを拡大している。
(昨年はフォルダブルまで投入された)
こうなるとXperia、AQUOS、Galaxyは自然と国内シェアを落とすことになり、より一層メーカーの販売努力が求められるようになるのだ。
今回「Galaxy S24」シリーズのSIMフリー版同時発売はAQUOSやXperiaにも影響する可能性があるだろう。だとすれば、ようやく理想の市場に近づきそうだ。
格安プランの台頭
そして3つ目の理由が「格安プラン」の台頭である。2021年以降、菅前政権のもとで携帯電話料金の引き下げが実施された。
国民が主体的に料金プランを見直した結果、約30%が格安プラン(MVNO、楽天モバイル、ahamo, povo, LINEMO等)を利用しているという。
(povo2.0利用者は無理やり白ロムを買うしかない)
Galaxyの新機種は基本的にキャリアショップでしか購入できないため、格安プラン利用者には最初からアプローチすることができない。
つまりサムスンはキャリア以外の窓口を用意しないと顧客にアプローチできなくなったのである。
これから先のことは分からないが、本気になればヨドバシカメラ等の家電量販店やAmazon、楽天市場等にも販路が拡大される可能性もありそうだ。
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