この3年間くらい、行き過ぎたスマートフォンの値引きや、過度のキャッシュバックが総務省指導により規制されてきた。その効果は地味に絶大で、SNSなどWebで宣伝を控える販売代理店は増えるばかり。
時を同じくして、2016年頃から少しずつ「携帯電話の下取り」が大手3キャリアにより強化され始める。今日は「なぜキャリアが端末を下取りするのか」について迫りたい。
①販売価格を1円でも安く見せるため!?
端末の割引が厳しく、インパクトのある宣伝が打てない。そんな販売店の秘策が下取りであるように思う。「一括1円!※条件は下取り」という表記がauを中心に増えた。
(画像は去年の某量販店でのiPhoneX、一括1円)
下取りとは読んで字のごとく、「今まで使っていた端末を売ってくれたら本体価格から値引きをしますよ」という仕組み。家に転がっている過去のガラケーでも買い取ってくれる事が多く、それが8,000円程度になる事もある。
(3,980円で買ってきて15,000円で下取りしてもらった。もはや割引券に見えてくる)
従って下取り端末がなければ、一括1円にはならず総務省の指導範囲から外れる事になる。こうして1円でも安く端末の販売価格を下げる事が下取りに隠された真の目的ではないかと筆者は見ている。
②海外に転売するため?
しかし、総務省は違った角度から見ているようだ。大手キャリアが消費者のスマートフォンを下取りして海外に再販するため、中古スマホ市場が活性化しない原因となっているという。
確かにiPhoneなど、一部は海外に流出しているのかもしれない。しかし、先述したようにキャリアはガラケーや、LINEアプリも入らない古いAndroid端末も8,000円前後で下取りしてくれる。
今後使い道のない端末を、そんな高額で買い取る意味があるだろうか。無論ない。あくまでも値引きの一環としか思えないのだ。(もちろん、レアメタルが取れる云々もないとは言わないが。)
最後に
繰り返すが「下取り」は総務省がキャッシュバック規制を行い始めた頃から徐々に増えてきた。しかも、実際に自分が使っていなかった端末でも、中古で安く買ってくれば下取りしてもらえる事も多い。
興味ある人は「スマートフォン 下取り用」などでググってみるといいだろう。面白い事が見えてくるはずだ。