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「正論おじさん」がスマートフォンの「技適」にソックリな話

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筆者が海外にいた頃、日本では「正論おじさん」という人がニュースになっていた。

なんでもお店などの看板が 1 cm でも道路にはみ出していると「違法だ」と指摘して改めるよう注意するのだとか。

その注意は「正論」でありながら迷惑だとして話題になっており、これをみた筆者は笑いが止まらなかった。

なぜならスマートフォンの「技適」問題にそっくりだと思ったからだ。



「技適おじさん」で溢れていたツイッター

2013年頃までは「技適」のないスマートフォンを Web 紹介しようものなら、その人に対してもの凄いバッシングがあったものだ。

いわゆる「正論おじさん」の技適版である。彼らの主張は正しく、何ら間違ったことはいっていない。

ていねいに「違反ですよ」と教えてくれているのだから、Web で紹介する側も改めればいい話。

しかしその注意を「迷惑」と感じたのはなぜだろう。

筆者個人の考えだが、外国人だけがローミングを条件に技適のない端末の利用が許されている実情に違和感があったからだ。

そして「総務省が仕事をしていない」と言われながら一切の検挙がないことに関して法律の形骸化を感じている自分がどこかにいたからだ。

 

「正論おじさん」はどこへ行った?

安倍政権が発足してから外国人が増え、今では年間 3,000 万人の訪日客がいるという。

彼らは技適のないスマートフォンを日本に持ち込んでおり、ふだんどおり日本国内で使っている。

90 日までと定められているものの、91 日目から検挙された例を聞いたことがない。

また第 4 次産業革命の時代をむかえ、海外の技術をすぐ日本で試験できるよう技適の申請は緩和にむかいつつある。

時代の変化にあわせて少しずつ技適のあり方が変わってきているのも事実だ。

そうした背景もあってか、いつの間にか技適を注意する「正論おじさん」はどこかへ行ってしまった。

いまや Youtube やブログでは技適のないスマートフォンの紹介やレビューで溢れている。



最後に

それでも技適は依然として残っており、コンプライアンス(法令遵守)の徹底をうたう企業ほど徹底して守っている。

逆にそれを強いられない個人は守っているのかいないのか、見かけでは判断がつかない。

仮に「技適通ってません」ということが公になっても、それが騒がれた例を筆者はみたことがない。

カラオケのプロモーション・ビデオには日本未発売の Xiaomi Mi Note 2 が出てきた例もある。

冒頭の話で例えるなら 1 cm や 2 cm 道路に看板がはみ出ているような状態が日常と化しているのだ。

決して破っていいことではないが、正直ものだけがどんどん損しているような気がしてならない。

海外で 52,800 円 で売られている Blackberryを買う人と日本で 90,000 円近くで買う人との差はどんどん開いていく気がするのだ。

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