兼ねてより噂されていたiPhone12 mini の売上不振はどうやら本当だったらしい。
フォーブスによると同モデルはアップルの予想を遥かに下回る売上で生産終了が決定しているという。
(左がiPhone12、右がiPhone12 mini)
iPhone史上初めて4モデルがリリースされた2020年。なぜminiだけが敗北となったのか。
発売直後から12miniを長らく使ってきた筆者の視点から考察したい。
小型iPhoneの「本質」はSE第2世代か・・・
まず12mini の売上を語る上で欠かせないのが iPhone SE第2世代だろう。
(左がiPhone7、右がSE2。外観ははほぼ同じだ)
世間ではiPhone8を底上げしたSE2が先にリリースされ結果として12miniの存在感が薄れたと言われている。
(iPhone12 miniと12Pro Max)
確かにそうした要因もありそうだが、他にも4.7インチiPhoneが人気すぎるという事がわかってきた。
MMD研究所の調べによると2021年3月時点で最も普及しているiPhoneは上位3機種に8/8Plus、iPhone7/7Plus、iPhone SE第2世代がランクイン。4.7inchがトップを独占している事がわかる。
(2016年登場のiPhone7。Apple Payと防水を備えて今もなお現役)
また第6位にはiOS15へのアップデートが決まったiPhone6sもランクイン。いずれも2014年に刷新されたiPhone6がベースとなっていて、いかに4.7inch が愛されているかがわかる。
そうなると買い替えを検討する人は12miniに冒険するより慣れ親しんだ4.7inch SE2に興味・関心を寄せやすい可能性が考えられる。
もちろん筆者のように12mini こそが真の小型iPhoneと考える人もいるだろう。ただ実際には多くの人がiPhone SE 第2世代に小型iPhoneの本質を見出したのかもしれない。
iPhone11もライバルだった?
iPhone12 mini が苦戦したもう1つの理由は値下げされた旧モデル、iPhone11が爆発的な人気を誇り12miniと競合した可能性だ。
同モデルは発売から1年半が経過した2021年春の段階でNTTドコモがahamo対応製品にKDDIはUQモバイルに投入するほどの人気で週回遅れを感じさせない。
しかも先程のMMD総研による調査では第4位にiPhone11がランクイン。Face ID搭載iPhoneとしては5位のiPhone XRを破ってトップクラスの人気である。
ちなみにアップル価格は64GB 71,280円。iPhone12 mini 64GB 82,280円より1万円も安いのだ。
もしiPhone11が早期に生産終了しアップルストアでも完売していたら、12miniが上位にランクインする可能性はあったのだろうか。
型落ちモデルのiPhoneも侮れないライバルである事は間違いない。
決して間違った端末ではない
側面の角ばったiPhone12シリーズはコンパクトなminiがもっとも握りやすい。
このサイズ感で味わう広角撮影や5.8inchは贅沢なもので、製品として失敗作なわけではあるまい。
10年以上のファンであれば、当時のiPhone4/5を彷彿とさせるデザインで古きよきiPhoneが現代の技術で復活したという見方だってできるはずだ。
だからこそminiのファンは一定数いるはずでコロナなき世界ではもう少し売上も変わってきたかもわからない。
今回はiPhoneSE第2世代が小型iPhoneとして十分な魅力を備えていたこと、値下げされたiPhone11が意外にも人気を博し図らずしも競合した可能性も考えられそうだ。
タイミングが悪かったのか、好む層がマイナーだったのか、何か考えられる原因があれば遠慮なくコメント欄にご意見を頂ければ幸いである。
そして筆者は12miniを使い続けていくつもりだ。
出典:Report: Apple May Remove iPhone 12 Mini From Lineup Due To Drop In Sales MMD研究所
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