昨日、FUJITSU が SIM フリースマートフォン arrows M05 を発表した。12 月 18 日より発売で MVNO や家電量販店などで販売される。
価格は 39,800 円(税込)で SIMフリーにしては手頃な価格に見えるだろう。だが低価格スマートフォンが充実した昨今、arrows M05 は戦える条件を満たしているとは到底思えない。
いったい何がそうさせているのだろうか。。
ミドル級価格なのにローエンド
とにもかくにもまずは arrows M05の主なスペックを見ていきたい。
チップ:Snapdragon 450, ROM(内部ストレージ) 32 GB/ RAM 3GB 搭載
5.8 インチ液晶ディスプレイ, Android 9 搭載
アウトカメラ:1,300 万画素+ 500 万画素 CMOS
指紋認証, Felica, ハイレゾ対応、防水(IP5/8)、防塵(IP6X)、耐衝撃
4G B1/B3/B5/B12/B17/B19/B26(18)
3G B1/B5/B6/B19
GSM 850/900/1800/1900
Wi-Fi IEEE802.11( a/b/g/n/ac 2.4/5 GHz)
ざっとこんな感じになっている。調べ物、 SNS 、動画や音楽を楽しむなど一通りの作業は問題なくできるだろう。
それでいて安心安全の日本製であり iPhone X みたいでカッコいいじゃないかと思う人であれば買いなのだろう。
繰り返すが価格は 39,800 円(税込)とされている。
同額でワンランク上の物が手に入る
価格だけをみればお手頃だが、じつはこの値段で買えるスマートフォンはもっとハイレベルなものである。
例えば OPPO Reno A と比べた筆者のツイートをご覧頂きたい。
arrows M05 5.8 inch 液晶ディスプレイ
SoC SDN450 ROM 32GB RAM 3GB ソフトバンク回線 Band 8, 41 非対応, Felica 対応シングル SIMOPPO Reno A 6.4 inch 有機EL
SoC SDN710 ROM64(128)GB RAM 6GB 4キャリア対応 Dual SIM, Felica 対応価格は両者ほぼ同じ税込 39,800 円です(´・ω・`)
— Skyblue (@skyblue_1985jp) December 11, 2019
arrows M05 がローエンドモデル向けのチップなのに対し OPPO Reno A はミドルエンドを用いている。
(日本メーカーに勝つのが余裕ということなのだろうか)
ストレージやメモリは倍異なっていて、画面は美しい有機 EL を用いている。さらにネットワークを見てみよう。
4G Band 1/2/3/4/5/7/8/18/19/26/28 TDD: Band 38/39/40/41
3G Band 1/2/4/5/6/8/19
GSM: 850/900/1800/1900
M05 がソフトバンク(Y!mobile)の Band 8, 41 非搭載なのに対し OPPO Reno A はバッチリ備えている。
そのほか北米・南米に必要な Band 2/4、中国 TDD-LTE Band 38/39/40 の有無が異なっていて、海外利用には OPPO の方が向いている。
つまり CPU、ストレージ、対応ネットワーク、カメラ性能などありとあらゆる構成要素で OPPO が勝っているのだ。
細かいことを言えば arrows M05 は「MIL規格」という耐衝撃のメリットが挙げられるもののソフトバンク非対応がでかすぎる。
中国が強すぎる・・・
なぜこれほどの差がでるのかは様々な要因があるだろう。
確実に言えそうなのは FUJITSU が日本だけで展開しているのに対し OPPO は世界を相手にしていることだ。
OPPO は大量生産できるが故にパーツが安くなり低価格で質のいい物が生産できる。余った予算でワンランク上の商品を投入できる。
いっぽう FUJITSU はそれができず必要なパーツを削ってでお 40,000 円以下に価格設定することで精一杯なのだろう。
奇しくも消費税引き上げと携帯電話出荷台数が過去最低になったことが重なって、見込み粗利益を上乗せしていることも考えられる。
冒頭にも述べたとおり 39,800 円(税込)は手頃な価格であることに違いはない。
しかし同じ値段でここまで差が付くほど国際競争力がなくなったとも見えて仕方ないのだ。
日本製品を応援するために arrows を買うのもいいが、既に携帯電話事業のほとんどが売却されている事実も知っておきたい。
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