トレイの上に置いただけでスマートフォンが充電できる。そんな近未来的な事ができるようになったのは今から5年くらい前。そう、SHARPや富士通あたりがワイヤレス充電規格Qiを採用していた。
その後PanasonicやNECなど主に国内メーカーが続くも流行らなかったのだが、今年ようやくAppleがQiを採用してきたから面白い。これでヨドバシカメラなど量販店が躍起になり、アキバでは売り場面積をある程度確保して本格的に売り出している。
だが筆者も実際に使ってみて「あ、これは普及しないだろう」となかば確信してしまったので思うところを書いていきたい。
①ケーブルよりもコストが圧倒的に高い
例えば、「この機会にiPhoneを完全にワイヤレス充電にしよう」とする人がいたとしよう。当然ながら自宅にQi充電器を買うことになるのだが、売り場に置かれたQi充電器の平均価格が軒並み5000円超え。なかなか高い。
(ヨドバシに特設されたQi充電器売り場。見渡すと3800円~7000円と価格幅があるが、お世辞にも「安い」とは言えないだろう。)
では例えば5000円の充電器を自宅用に買ったとして、もう一つ職場や移動先用にも買うことになるのだろうか。同じものを移動先用に買った場合、合計1万円にもなる。
1万円で何そのができるかと言えば「スマホを充電するだけ」なのだ。
②充電器の相性に差がありすぎる現実
では「ワイヤレス充電器が安ければいいのか」というと、そうでもない。同じQi規格の充電器でもiPhone8やiPhoneXでうまく充電できない物が多い。
更に厚さわずか1mm程のケースを装着するだけで充電できない物もあり、店頭で試したり詳細なレビューを参照しない限り安心して買うことができない。相性に差がありすぎるのだ。
最後に
5年前から富士通などが先行していたワイヤレス充電。使う人には嬉しい機能であろう。未来を感じるし一見するとスマートに見える。
しかし充電器に相性がありすぎたり、ケースの有無で充電効率が変わったり、ケーブルより高いためコストパフォーマンスがいいとは思えない。Androidでは盛り上がらなかったワイヤレス充電のQi、今回はどうなるだろうか。。