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NTTドコモの 2,980 円プラン「アハモ」でピンチ。楽天モバイルが抱える 3 つの不安要素とは・・・

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  • 菅政権の目玉政策でもある携帯電話料金値下げは、先週に NTT ドコモが発表した「アハモ」プランにより競争が進むきっかけとなりそうだ。

実際 MVNO の日本通信が SSD (菅総理大臣)プランを発表。70 分の無料通話と 20 GB データ通信付きで 1,980 円という破格の料金だ。

(2020 年 3 月に発表した 300 万人無料はまだ 200 万人に到達していない)

他の MVNO もキャリアやサブブランドが攻めない領域、とりわけ維持費 1,000 円台のプランを用意することで生き残るだろう。

それより筆者が危惧しているのは MNO として事業展開を進める楽天モバイルだ。今回は 3 つの点から第 4 のキャリアになりきれない可能性を指摘したい。



au ローミングの終了:5 年前倒しの副作用

危惧されるポイント 1 つ目が au パートナーエリア回線が予想よりはやく終了しそうなこと。じっさい 2020 年 10 月 22 日より東京、大阪、奈良の一部で au パートナー回線の提供が終了している。

さっそく影響をうけたユーザーからは「圏外になった」と悲鳴の声があがっており、サポートに問い合わせるとMVNO の SIM とルーターが送られてくるという。つまりそれで凌いでもらうという信じられない事態が起きているのだ。

2021 年に人口カバー率 70 % を超えれば、全国で au ローミングが終了して圏外エリアがもっと増えることになる。

この現象は 2012 年以前のソフトバンクに似ている。当時 700 〜 900 MHz の周波数を持たなかった同社は、いくら基地局を整備したところで圏外を防ぐことはできなかった。

楽天モバイルは総務省から割り当てられた 1800 MHz 帯 1 本で 4G を展開しているためおなじく基地局を増やしても圏外を減らすには限界がある。

 

対応デバイスが桁違いに少ない

2 つ目の不安要素は使えるスマホが桁違いに少ないこと。

もちろん楽天モバイルは自社端末の Rakuten Mini や Rakuten BIG で業界を湧かせたり、すべての端末を SIM フリーで展開するなど不断の努力を続けている。

しかし大手 3 キャリアと比べて歴史が浅い分、過去にリリースされた中古端末での動作状況があまり明らかになっていない。

例えばドコモなら 7 年前の端末(iPhone5s 等)でも動作させることが可能。au なら 2015 年以降の Android 端末、iPhone 6s 以降のデバイスに互換性があり、ソフトバンクも iPhone5 〜 12 まで一貫して利用できる。

また ASUS、Huawei、Motorola、HTC など動作確認の済んでいる過去の SIM フリー端末も合わせれば既存 3 キャリアやその MVNO は中古市場にねむる数え切れないスマートフォンを活用できる。

ところが楽天モバイルは、そうした過去の端末を一台ずつ試さないと動作状況がわからない。データ通信や無料通話アプリの "Rakuten LINK" が動いたとしても普通の電話アプリが動作せず、110 や 119 など緊急電話ができない例もよくあることだ。

(この「Rakuten LINK」が使えないと通話料金無料は実現できない)

人気モデルでいうと iPhone7 や 8 なども動作しない。「でたばかりの端末やお気に入りのスマートフォンは使える保証がない」という悲しい現実が契約者数の伸び悩みに繋がるだろう。



高齢者を拾いきれない

そして 3 つ目の懸念事項が「 PC 操作が苦手な高齢者を拾いきれない」という点だ。

ドコモの新料金プラン「アハモ」で指摘されていることだが、そもそもドコモなど既存キャリアは全国のショップで何とか高齢者対応をしている。

(池袋、銀座、渋谷、二子玉川など急速に増えているが全国区での展開はまだ時間がかかる)

いっぽう楽天モバイルはショップ数がかなり限定的で、量販店などの楽天モバイルコーナーでは対応できない手続きもある。

日本はいま 3 人に 1 人が 65 歳以上の高齢者といわれており、この 33% の潜在的ユーザーを既存 3 キャリアから奪うのは容易いことではない。かといって若者がとびつくかといえば「アハモ」の登場でこれまた簡単ではなくなったわけだ。



衛星ロケットはいつ飛ぶのか・・・

au ローミングが終了すれば地下・山間部・屋内をカバーできず、基地局を増やしてもけっきょく圏外が多発する。

ネット手続きが中心で高齢者を取り込みにくく、過去に発売された SIM フリーやキャリアスマホで使えるか分からない部分がおおい。

では三木谷社長なにを考えているかといえば衛星ロケットの打ち上げだ。

地上デジタル放送が届かない場所には衛星から BS・CS 電波を受信してテレビをみるように、楽天モバイル基地局がない場所には宇宙から電波を飛ばすという。

(3 月に行われた発表会の様子。宇宙にいても繋がるという)

成功すれば私たちのスマートフォンを買い換えることなく、どこにいても 100 % 繋がるという。

それが来年にも実現できるならまだわかるのだが、あまり悠長なことを言っていられる状況ではないだろう。

三木谷社長はこれまで何度もビッグマウスで常識を覆そうとしてきたが、度重なるシステム障害やエラー、エリア拡大の遅れなどですでに見限ったユーザーも多数いる。

これからどうなるだろうか。KDDI やソフトバンクの値下げ追随よりも、追い詰められた楽天モバイルがどう出てくるのか。壁にぶち当たった三木谷氏の次の一手がおおきく注目される・・・。

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