KDDIが新たな顧客囲い込みを仕掛けてきた。「auひかり」等の固定回線や「auでんき」に加入していれば、UQモバイルを990円から持てる施策。
先にリリースされたでんきセット割に自宅のインターネットが加わったもので「自宅セット割」に改名。
固定回線には工事が不要なWi-Fiルーター「au home 5G」も対象で適用範囲がかなり広い。
auから他社への乗り換えを検討するユーザーを留めるには十分すぎる効果が見込めるだろう。
auユーザーのモヤモヤを払拭
というのもUQモバイルの料金は「くりこしプランS」こそ訴求力があった。3GB 1,620円(税込)で2年目以降も料金が変わらず以前より条件が良くなっている。
しかし問題は3GBでは足りない人である。「くりこしプランM」を選べば15GBになるが、それなら20GB 2,728円のpovoとまったく料金面で変わらない。
しかも現在の料金プランでは家族割が存在せず、世帯人数に応じた追加割引が発生しないデメリットもあった。
そうした悩みを払拭させるのが「自宅セット割」である。とくに「auひかり」や「auでんき」を利用中のauユーザーであれば追加割引によって違った景色が見えてくるはず。
1,620円で検討していた「くりこしプランS」は990円、15GBの「くりこしプランM」は2,090円で破格の領域にせまった。
これなら家族割が無くとも世帯人数に応じた安さが実現され「くりこしプランM」とpovoの差別化も解決する。
気になるMNP転出料金、解約違約金、事務手数料はすべて無料。UQモバイル移行後も修理受付、機種変更相談などのサポートがある点でMVNOより安心だ。
さらに9月からは5GネットワークやeSIMにも対応するからUQモバイルへの移行は今秋にも加速するのではないだろうか。
今後はソフトバンクと競争激化
しかしこれだけの割引を拡充させても安心できるわけではない。競合のワイモバイルは光回線やでんきセット割など同様の割引を早くから提供してきた。
またそうしたサービスに加入せずとも2回線目からは家族割が適用されて990円から利用できる。
さらに新ブランドのLINEMO「ミニプラン」を使えば1回線目からこれまた3GBで990円だ。
こうして見ると新ブランドpovoを実質放置しているKDDIにはまだ追随の余地があり、ソフトバンクや楽天モバイルとの激しい戦いが起きると予想される。
そして余談にはなるが9月に突入しながら「ライトプラン」が未発表のNTTドコモは本当の意味で危機感を持たねばならない。もはや資本力だけが強みとなっていて、競争力がまるで働いていない。
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