9月16日、KDDIはスマートフォンを2年後に返却する施策、「スマホトクするプログラム」を発表した。
同プログラムはスマートフォンの分割代金を2年間支払い続け、25ヶ月目に返却すると残価が免除されるもの。
以前の返却プログラムよりシンプルで、2年後の機種買い替えも不要になった。ではどんなメリット、デメリットがあるのか、さらにどんな人に向いているのか、今回はiPhone13 Pro購入を例に解説したい。
メリット
①高額な機種でも持ちやすく
もっとも大きなメリットは10万円を越えるスマートフォンが手軽に持てることだ。以下のツイートをご覧頂きたい。
auの新しい返却プログラムを使うと、あまり負担なくiPhone13 Proを持てるかもしれません。例えば256Bは24分割で月3,685円。これにpovo 2.0 20GB 運用すると
本体代金 3,685円×24→返却
通信料金 2,700円
合計 6,405円2年後の買い替えは不要。なかなか合理的じゃないですか?🤔 pic.twitter.com/mjh5t64qBt
— Skyblue (@skyblue_1985jp) September 16, 2021
iPhone13 Pro 256GBのau価格は156,995円で、一括で購入はいささかハードルが高い。だが2年後に返却することを前提にすれば、毎月の負担額は3,685円で心理的障壁がさがる。
しかもpovo2.0のトッピング「20GB」を使えば通信料金は2,700円。本体代金と合わせて携帯電話料金は月額6,405円となる。iPhoneの最新モデルと20GB通信でこの価格はわりと合理的ではないだろうか。
②スマホトクするボーナス
もう1つのメリットはau PAYカードで本体代金を支払うと「スマホトクするボーナス」の対象になること。
毎月少しずつpontaポイントが付与され、本体代金の最大5%が貰えることになる。
機種によって還元ポイントは異なるが、毎月の実質負担額が下がることになる。au PAYカードは年会費無料のため、少しでもお得に利用したい人はカードを作成しても良いだろう。
③回線選びは自由
さらに「スマホトクするプログラム」利用中にドコモ、ソフトバンク、楽天モバイル等に回線を乗り換えても問題ない。通信と端末は分離したおかげである。
au回線を持たないユーザーも同プログラムを利用可能で、iPhoneを扱わないMVNOユーザーは特に朗報かもしれない。
デメリット
というわけで10万円を越える高額な端末でも割安に持てること、au PAYカードでポイントまでガッツリ貰えること、途中で他社に移行したりau回線をもたない人でも利用できるのが筆者の感じるメリットだ。
とくに買い替え周期が2年の人には向いているだろう。そしてもちろんデメリットにも向き合わねばならない。
①途中で嫌になると辛い
デメリット1つ目は途中で買い替えにくいこと。2年の利用が前提となっているため、5ヶ月や6ヶ月で買い替えたくなると先が長くて思いやられるかもしれない。
(いきなり折り畳みが発表されたりする)
しかもスマートフォンは日々進化しており、いきなり新しい物が発表される。残債がないのなら「よしiPhone13 Proを売却しよう」という話になるが、返却予定の物を売るわけにもいかない。
従って、日頃からスマートフォンの買い替えサイクルが2年間の人は問題ないが、よく買い替えたくなる人には最初から向いていないと言っても過言ではないだろう。
②2年間大事にすること
もう1つは返却が前提だからいつも以上に大事に使う必要があること。致命的な傷があれば追加料金が発するし、盗難や紛失にあっても返却義務からは逃れられない。
(Apple Care+や量販店、ショップ独自の保険など比較検討してみよう)
この辺りは常に意識しておきたいし、いっそのこと借り物と考えた方が大切に扱えるかもしれない。したがってよくスマホを紛失する人には、これまた向いていないプログラムと言える。
返却プログラムは浸透するか
以上がメリット、デメリットだ。最後に余談だが、そもそも端末返却プログラムが出てきた背景には2017年のiPhoneXの存在が大きかった。
14万円を越えるスマートフォンは当時でこそ珍しく、24分割でさえ現実的ではなかったのだ。だからといって48分割しても4年間使い続ける自信がある人もまだ少ない頃だった。
さらに当時は2年後の返却に際してキャリアが指定した次の機種の購入が義務付けられていたし、それゆえ特定キャリアからの脱却が難しくなることがたびたび総務省から指摘されていた。
そうした紆余曲折があって登場したのが「スマホトクするプログラム」だろう。この買い方が主流になるかはまだ不明だが、新型のiPhoneを家計の負担少なくして入手するには、ベストであるかもしれない。
また返却が前提になると中古スマートフォン市場が縮小に繋がりかねないなど、見えないことはまだまだたくさんある。
リンク:au