アップルのiPhone15がいよいよ発売された。都内の家電量販店には予約した機種を購入する人、新しい機能の説明を受ける人で賑わっている。
アップルストア在庫は予約の段階ですべて完売。今から予約しても次回入荷は11月と案内されており、流石と言わんばかりの人気である。
しかし一方で、ドコモ、KDDI、ソフトバンクには各モデルの当日在庫が意外にも残っており、SIMフリー版とのバランスが完全に崩れている。
(9月22日午前中のヨドバシアキバ)
これでは全体的に人気があるのか、ぱっと見よくわからない。しかしよく観察していくとそれぞれの事情が見えてきた。
SIMフリー版の人気、キャリア版の不人気
SIMフリー版に人気が集中する理由、1つはキャリア価格より圧倒的に安いことが挙げられる。
別記事でも触れたように、同じ商品にも関わらず2~7万円の価格差があるのだ。
しかも機種変更には事務手数料3,850円が発生するため、今回はアップルストア版を予約する人が例年より目も立っていた。
ショップ・サポートのない格安プランやMVNOユーザーが3,000万人を越えた今、自分で本体を調達するのは珍しいことではないのだろう。
そしてもう1つは転売ヤーの餌食になっていること。世界的に人気急騰のProシリーズは定価+74,000円で取り引きされている。
(海外輸出系ショップの相場)
もはや「iPhoneが欲しいというより、お金が欲しい人」の購入が相次いでおり、実際の需要が見えにくくなっているのだ。
興味深いのは転売ヤーはキャリアで購入しないこと。何やら高額買取は「新品・未開封」の条件が必須で、開封されるキャリア版は敬遠されるらしい。
(この封を切ると価値が下がる)
このことからiPhone15は高い人気を保ちながらも、日本では転売目的の需要がたかくSIMフリー版が完売するに至ったことがわかる。
反対にキャリア版の価格は割高すぎて実需要から敬遠され、転売にも向かないことから在庫が残っているのだろう。
これからどんな売れ方をしていくのか、キャリアのキャンペーン情報とともに注視していきたい。