2013年、日本に投入されて大ヒットしたNexus5は、「余計なアプリが一切なく、OSがヌルヌル動く不朽の名作」とまで言われ、他のメーカーの追随を許さない特徴があった。
しかし今、どのメーカーも甲乙つけ難い程に完成度が高い。そんな状況下で「Google Pixel3はどんな驚き(Wow)を見せてくれるのだろう」という好奇心に駆られ、この度XL 128GBを購入。何度かに分けて、見えてきた事を書いていきたい。
①あくまでも貫くシンプルな姿勢・・・
去年から今年にかけて、スマートフォン市場ではデュアルレンズが流行。背景をボカして一眼レフのような写真が撮れたり、スマホとは思えない品質で夜景が撮れるようになってきた。
(今時、こんな飾り気のないハイエンドスマホは珍しい)
それに比べてPixel3はどうかといえば、この期に及んでまさかの単眼レンズ。端末のデザインにしても、何の変化球もないシンプルさそのもの。見た目がこれでは、確かにボッタクリ端末と言われても仕方ない。
②シンプルから見せつける迫力
別に何の変哲もないスマートフォンだし、特に驚くこともない。しかし、端末の電源を入れてまず驚いたのはベゼルレスの迫力だ。
(迫ってくるような横幅の広さ、奥行き感、この感覚は何なのだろう)
え!?そこ驚くところ!?と思われるだろう。恐らく、筐体のデザインから作りにかけて注目すべき点が何もなかったからこそ、最初に驚いたのがベゼルレスの迫力だったのだ。実際、ディスプレイは6.3インチと大きい。
考えてみれば、同じくベゼルレスのOPPO FIND Xや、初代のXiaomi Mi Mixは「飛び出すカメラ」とか「セラミックの高級感」とか、まず最初に「どれどれ、どんな感じ?」と気にしてしまうセールスポイントがある。
セラミック筐体の初代Xiaomi Mi MIX。ディスプレイ同等の美しさが売り。
OPPO FIND Xは、どうしても飛び出すカメラに注目がいってしまう。
Galaxy Note9も、まずはペンの色や背面のデザインに目がいってしまう)
それに比べてPixel3 XLは、電源を入れるまで何も驚くことがない。だからこそ、最初の驚きが圧倒的なベゼルレス感だったのだろう。シンプルだからこそ、今やトレンドとなる基礎部分(ベゼルレス)が際立った。
③単眼レンズの実力も凄い・・・
まだあまり試していないが、単眼レンズの完成度にも驚きを隠せない。昨夜、秋葉原付近で撮影したものだが、まず最初にiPhone XS Maxで撮影したものをご覧頂きたい。
文句のつけようがない程に白飛びが抑えられている。では、次にPixel3 XLで同じ場所から撮影した画像がこちら。
どうだろうか。若干の白飛びが目立つものの、iPhoneと比較しなければ十分すぎるクオリティー。「AIとはこういうものだ!」という説得力がシンプルな単眼レンズだからこそ伝わってくるのだ。
最後に
CMや量販店の売り場などで見ている限り、何が凄いのかさっぱり分からないのが今回のPixel3。しかし、実際に購入してまず伝わってきたのは、静かな佇まいから見せる、大きな力だった。
こうしたスマホは、ありそうで中々ない。あったとしてもRAM8GBとか、何かしら注目してしまう決定的ポイントがあるものだ。RAM4GB、シングルSIM、スペックシートで秀でた点がないPixel3は、実際手に取ってみて初めてワクワクするのかもしれない。