日本がPayPayキャンペーンで盛り上がっている頃、筆者は香港に1泊したのち、中華人民共和国へ足を踏み入れた。香港北部に位置する深センは中国のシリコンバレーとも呼ばれており、秋葉原よりも圧倒的に広い。
(世界一の電気街とも言われる、華強北に到着。秋葉原の30倍とも言われる)
同じ中国でもまるで別の国という程に、何から何まで違う。(実際、香港と中国は国境をまたぐのだが)今日は、キャッシュレス社会を実感するためにやってきた中国からブログを更新。
①QRコード普及率の有無
まず注目したいのがQRコード決済の有無だろう。中国はどこへ行ってもQR決済と聞いていたが、まさか地下鉄の乗車にまで及んでいるとは思わなかった。これは噂に聞いた以上の普及率だ。
(日本のSuicaのような物もあるが、QR読み取り機が常に光っている)
一方で香港はQRコード自体が珍しく、日本と同様にAlipayやWeChatPayが中国人観光客向けに存在している程度。「別にQRコード要らなくない!?」とでも言わんばかりの違いだ。
その代り、Octopus(オクトパス)と呼ばれる、いわゆる香港版Suicaが香港全土に普及しており、実質的に中国のQRコード決済程の存在となっている。オフラインでも使えるというのが大きな強みだろう。
香港のとある街の肉屋さん。画面中央にはオクトパスカード読み取り機が見える。大型店舗だけでなく個人経営のお店にも根付いている)
②QRコード大国の盲点、クレカが使えない・・・
中国でQRコードが普及しているのは十二分にわかった。ではそれ以外の決済はどうかな?例えばクレジットカードも使えるのかな?と疑問に思っていたところ、VISAやMasterなどの一般的なクレカが使えない事態に度々遭遇した。
例えば、朝食を取るために入ったMcDonaldでクレカが使えず、困っていたところ、半分ネタで持ってた銀聯カードが役に立った。QRコード大国は、あくまで二次元決済が強いようだ。
その辺り、香港は強い。Octopusカード以外の決済方法は、主にクレジットカード。銀聯はおろか日本のJCBにも対応している。
③現金はどう!?
中国は偽札が出回りすぎて、露天商がQRコードを持つ時代になったとも言われている。
(中国人民元。もちろん香港ドルとは異なる)
けっこうビリビリに破れていたり、脆い。何より、手に汚れがつくのがわかるくらいに汚い物も混ざっている。だから極端な話、現金が使えない場所もあるらしい。
(こちらは香港ドル。人民元と似ているが割と良い質感の紙幣だ)
一方で香港はと言えば、紙幣が中国元よりもしっかりしており、現金への信頼度が強い。露天商が現金でやり取りしているのは、偽札を恐れる必要がないからだろう。
最後に
中国も香港も、それぞれキャッシュレス社会をほぼ実現させている。QRコードが全てを制する中国はVISAやMasterなど一般的なクレジットカードが利用できない。
一方、Octopusカードに加え、世界中のクレジットカードが使える香港では、QRコードを一切使う必要がない。
どちらが理想なのかという議論はしないでおくが、ここまで違った社会だと実に興味深いものがある。日本も規格乱立から脱して、何かしら統一させる方向に向かわないものだろうか。2つの中華圏から学ぶ事は実に多い。