ヤフーと LINE の経営統合で話題が持ちきりだ。さまざまな事業展開が予想されるなかでキャッシュレスに関しても PayPay と LINE Pay の連携なんかもあり得るかもしれない。
そうなれば戦国時代とも言える QR コード決済はまもなく天下統一を迎えるだろう。これに焦ったのかドコモの「d 払い」が本気を出してきた。
「d払い」の枠に iD が追加される
「d払い」も着実に普及しつつあるなか、このままでは PayPay 陣営に勝てそうにない。そこで発表されたのが Felica 規格「iD」決済の追加だ。
ドコモによれば「d払い」アプリ内に「iD」が加わって、QR コードか Felica のどちらかを選んで決済できるようになるという。
これは厳しい戦況のなかでは賢い方法かもしれない。
「d払い」をすんなり導入する大型店舗があるなかで、例えばヨドバシカメラやチェーン店のカフェなど頑なに QR コードを導入しない店舗もあるからだ。
（例えばサンマルクカフェでは QR 決済が導入されていない）
逆にそうした店舗では Felica なら対応していることが多く「d払い」の決済件数を大きく底上げすることができるだろう。
何しろ iD 決済端末は全国で 101 万あるというから心強い。
急がねばならない課題も
ただしこれが「d 払い」の勢力拡大に繋がるかは不透明だ。
iD はあくまでも Felica であり、型落ちの iPhone 6/6s/SE や SIMフリー Android スマートフォンには NFC すら非対応の端末がおおい。
そうしたユーザーはどうあがいても QR コード決済だけしか利用できず恩恵が受けられない。
また現時点では「ドコモユーザー以外にも解放するか否か」が明確に決まっておらず、第 2 弾の取り組みとして後日発表されるという。
ダメ押しでまずは Android つぎに iPhone にソフトウェア対応される段取りとなっていて、意思決定のはやさが求められる。
最後に
それにしてもヤフーと LINE の経営統合はいくつかの企業を戦意喪失に追い込んだのではないだろうか。
コンビニでしか使えない「ファミペイ」はいうまでもなく、ゆうちょペイなども未来が見えなくなってきた。
そしてメルペイに関してもメルカリとのシナジー効果をシナリオとして描いていると CFO が語っているが、ユーザーは PayPay の 4 分の 1 ほどにとどまっている。
どのキャッシュレス陣営もくるしい戦いが続くなかで出てきたドコモの iD 追加戦略、どこまで戦えるだろうか。
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