先程レビューした mineo 5G SIM を秋葉原で検証したところ、MVNO の新しい可能性を感じることができた。
そもそも筆者は「エリアの狭い 5G を mineo が開始することにどんな意味があるのだろうか」と侮っていた。
しかし使ってみてビックリ。。実測値 300 Mbps を記録したうえに 1,000 円程度から持つことができる。
しかもエリアが拡大すれば混雑時のスピードも改善されるようだ。
もしかすると mineo は 2010 年代に MVNO が抱えてきた問題を次世代にアップデートしているのではないだろうか。
MVNO としての 5G レベルを明示した
いわゆる格安 SIM は日中に 10 〜 20 Mbps の速度があれば合格ラインで、どんな作業でも十分にこなせるだろう。
だが 5G となれば少し話は変わってくる。それ以上の速度がでなければ「4G とあまり変わらなくない？」という話になってしまうし、何よりユーザーを惹き付けることができない。
その辺を意識しながら秋葉原を調査したところ、おおむね 200 〜 300 Mbps を記録。MVNO でこの速度は単純にすごくないだろうか。
（300 まで行かなくとも 5G スポットで 200 Mbps は普通に計測できた）
つまり mineo はキャリアより劣るにしても MVNO なりの 5G 速度をユーザーに示すことで 4G との差別化に成功したのではないだろうか。
もちろんエリア自体が狭いため、まだまだ恩恵をうける機会は少ないだろう。逆にひろく普及すれば MVNO 事業者に対するイメージや世界観はあっと変わるはずだ。
キャリアより圧倒的な低価格
そしてこの 300 Mbps という超高速ネットワークをわずか 1,000 円以下で実現できる点がすごい。mineo に関してはドコモ、au、ソフトバンクと 3 キャリアから選べるのが他社との大きな差別化要素である。
（5G 料金は+ 200 円。6 ヶ月間は無料で、検証だけなら 3 GB でも十分だろう）
大手キャリアでは従量課金プランでも 2,980 円以上はするし、家族の世帯人数が少なければ割引も受けられない。そんな中で「5G が地元にきたから体験してみたい」とか「ドコモショップで 5G と 4G の差を検証してみたい」という人に mineo 5G は向いている。
（ドコモの1,980 円は 3 回線以上、光回線、dカードでの支払いなど条件が厳しい）
自分にあった容量と回線を選んでキャリアより低価格な運用ができればそれでいいし、逆に物足りなければキャリアの正規 5G を使えばいい。
5G を今までの MVNO 価格とほぼ同水準で使えることもまた大きな武器だ。
お昼の時間帯をついに克服か
さらに mineo が 5G を導入するもう一つの理由がピーク時混雑への対応だろう。
MVNO はとにかくお昼や夜の混雑時に弱く「肝心なときに使い物にならない」という理由からキャリアに戻した人も少なくない。
（12 月 1 日のお昼の時間帯。これが 5G スポットだと 3 Mbps 前後に改善されるようだ）
逆にこれを克服すれば MVNO への定着率も伸びると言えないだろうか。mineo 公式によると 5G でもピーク時間は混雑するらしい。
しかし 4G で 700 Kbps 前後の現状を 5G スポットでは 3 Mbps 程度に底上げできるようだ。3 Mbps は 5G 速度の観点からみると低速であるが、ほとんどの作業が可能になる。
ドコモが「4G ギガホ 」を使い切った後に 3 Mbps に速度制限を設けているのが裏付けと言っても過言ではない。観たい動画があれば高画質での再生が可能であり、アプリのダウンロードだって無理ではないはずだ。
新しい MVNO 時代が到来するか
というわけで 300 Mbps の高速通信を 1,000 円以下で実現したのが mineo 5G でありエリア拡大とともにピーク時の混雑対応をすることで MVNO としての存在をアップデートしていると筆者は考えている。
もちろん 5G エリア拡大には気が遠くなるほどの時間がかかるだろう。しかしそれが実現できれば「MVNO は混雑時間に遅いから嫌だ 」という悩みが過去のものとなり、MVNO 自体がいい意味で見直されるかもしれない。
そして mineo はきっとやり遂げてくれるだろう。如何せん 5G 販機というお試しの SIM カード入りの缶を本物の自販機を使って配る取り組みをするくらいだから・・。
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