PayPay、LINE Pay、d払い、楽天ペイ。超が付くほどに大手と言われる企業が数年前からキャッシュレス社会を睨んでいた。PayPayは出てきたばかりに見えるが、計画自体はずっと以前から存在していた。
そこに都市銀行やコンビニ、ついにはヨドバシカメラまでもが参入を表明しているらしいから面白い。いささか酷な持論になるのだが、勝てるかわからない戦いに挑戦するのはあまり賢くないように思う。他の産業から見てみよう。
①シェア争いの歴史は繰り返す
1990年代前半、実に多くのゲーム機が世の中に出てきた。3DO、SEGA SATURN、Play Station、ネオジオ、PCエンジン、など家庭用ゲーム機スーパーファミコンの次を見据えた規格争いが勃発したのだ。
(筆者宅の昔の写真。PS3も既に懐かしい)
メーカーは社を挙げて対応ソフトの拡充とハードウェアの普及を試みるが、SONYのPlay Stationが圧勝し、他社は相次いで撤退した。これはあくまで規格争いの一例だが、歴史のところどころで、こうした泥沼の戦いは起こるものだ。
②なぜシェアを争うのか
では、なぜ企業は自社規格の普及にこだわるのか。答えは単純で、自社規格を業界の標準にしてしまえば、自動的に手数料が入ってくるからだ。つまり何もしなくとも楽にお金が稼げてしまう。
SONYのPlay Stationはまさにそうで、様々なゲーム開発会社からマージンが入ってくる。今勃発しているコード決済も、安定した収益を確保する絶好のチャンスという訳なのだろう。
最後に
SoftBankグループは100億円を既に2回バラ撒いている。無限の資金力を相手に、まさか本気で勝つつもりではないだろうと思うが、乱立しすぎている様は滑稽だ。勝負の行方こそ見えないが、やはり歴史は繰り返す。
覇権を取れなかったマネーは撤退しなくとも、一部の地域でしか使えないローカルな規格になる可能性は十分に考えられる。ひとまず消費者としては、「決済登録で500円プレゼント!」というキャンペーンにだけ参加しておこう・・・