先日ソフトバンクの宮内社長が、端末ラインアップに関して「今後は低価格のスマートフォンを織り交ぜたい」と述べていた。
何のことはない一言だが、この発言から今後のスマートフォンのトレンドとソニーの失墜を想像してしまった。
低価格スマートフォンの時代
ゲームも高性能カメラも必要ない人にむけて、arrows be や AQUOS Sense という低価格スマートフォンがある。
(価格は 20,000 ~ 30,000 円台で割引をうまく安く手に入る)
OS は最新で Felica も防水もあることから docomo with シリーズとして大ヒット。
どれだけ売れたかはスマートフォンの国内シェア率の変化でわかるだろう。
SHARP はソニーを抜いて 2 位へ浮上、富士通もソニーを抜いて 3 位へ浮上した。
この図から「2 ~ 3 万円のコスパ抜群スマートフォンはシェアとして伸びしろがある」ことがわかる。
そしてこのパイは海外メーカーも虎視眈々と狙ってきている。
OPPO もまた低価格で躍進
OPPO もまた日本参入から時間をかけずして定着したメーカーだろう。
SIM フリーでは OPPO R15 Neo 、AX7 などを展開し、UQ モバイルなど MVNO を通しても盛んに売上をのばしている。
「OPPO ってなかなかいいね。今度はハイエンド端末も買ってみようかな」というブランド戦略が功を奏しているようだ。
国内ブランドへのこだわりがない人は、こうした中国メーカーに流れつつある。
言ってみればファーウェイもおなじで Mate 10 Pro や Mate 20 Pro など 10 万円クラスが爆発的に売れたのは
P8 lite, P9 lite など低価格スマホでの実績があったからだろう。
最初は「中国のよくわからないメーカーは嫌だ」と避ける顧客がおおかったマーケットを実力で覆したのだ。
サムスンも低価格を攻めている
先日 Galaxy Note 10 シリーズを発表したサムスンも、低価格への注力は怠っていない。
Galaxy A20、A30、A40、A50、A60、A70、A80 と買いやすいモデルを乱発している。
日本では A30 が UQ モバイルから発売され、注目されているのは周知の事実だろう。
では話を戻してソニーは何をしているのかといえば、年に 2 回ハイエンドをキャリアから出しているだけなのだ。
(魅力的な低価格スマートフォンは毎年出ているのに日本人は知らない)
今年は珍しく Xperia Ace をドコモより発売したが、いくらソニーブランドでも 5 万円台では顧客の心をつかめない。
ここはマーケット調査不足という次元の問題ではないはずで、自ら滅びにいっているとしか考えられない。
最後に
ソニーにはもう「ブランド戦略」とか「安売りをしたくない」とか変なプライドを持っている場合ではないはずだ。
ハイエンド端末で Galaxy や中国メーカーと肩を並べるのは素晴らしい姿勢だが、価格帯からして購入できる層はかぎられている。
MVNO とセットにして販売するなどの手段はあるはずなのだが、それもまた大人の事情とか言っているのだろうか。
そんな体質では第 4 次産業革命のこの時代を生き残ることはできないだろう。
国内における低価格スマホの重要性がわかっているのか、いないのか。黒字化した次の戦略で明らかになるだろう。
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