今月に au とソフトバンクが発表した「アップグレードプログラム DX 」と「半額サポート+」は回線契約のない人でもスマートフォン本体だけを購入できることで話題になった。
ところが分割購入では 100 日間は SIM ロックが解除できないため買っても Wi-Fi やそのキャリアの格安 SIM が必要になる。
総務省はこの仕組みを問題視しており「購入後すぐロック解除できるようにすべき」と是正を求めており筆者も賛成だが、対するキャリアの主張が滑稽でならない。
本当に持ち逃げリスクを恐れているのか
キャリアが SIM ロック解除を即時に行いたくない理由として「端末の料金が未払いのまま持ち逃げされるリスクがある」という。
しかしこの主張には全く説得力をもっていない。なぜならキャリアは支払い実績もない新規顧客に対して iPhone を一括 0 円でバラ撒いてきたではないか。
逆に 5 年 ~ 10 年と遅延なく支払ってきたユーザーは持ち逃げリスクが少ないにも関わらず iPhone が 0 円で貰えるチャンスなどない。
長期顧客は優遇されないからこそ、まじめに正規価格で分割にて購入している。なのに持ち逃げリスクがあるなんて言われたら腹が立つだろう。
持ち逃げリスクの高い新参者には iPhone をタダで配り、持ち逃げリスクの低い長期顧客には SIM ロック解除 100 日ルールを守らせる。
これがキャリアのやってきたことであり、有識者会議での彼らの主張は全く説得力がない。
国とキャリアの攻防は泥沼化するか
こうしている今も 10 月の法改正をまえに、新型 iPhone11 が一括 0 円などに近い価格で新規顧客にだけバラ撒かれている。
それがキャリアの本音であり、9 月 30 日までタダ同然で端末を配るはずだ。持ち逃げされるのが怖いものを何故タダ同然で配るのか。
まずはそこを理詰めで説明できないとキャリアの説明は誰も納得しない。かといってもはや説明できないほど滅茶苦茶なことが行われているのは周知の事実だろう。
総務省も抜け穴をみつける天才相手にこれ以上なにをしたいのか、それが消費者にとって確実にプラスになるのか。
もはや有識者会議はネタとして、エンターテイメントとして娯楽として見て行かなければ頭が追いつかなくなるだろう。一体この不毛なやり取りはいつまで続くのだろうか。
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