幼いころ、父や母が定期購読する新聞をよくコロコロと変えていた。当時の両親は「洗剤とかラップとか日用品が貰えるから」だと言っていた気がする。
長期購読者にはなにも特典がないのに、新規に契約者だけお土産が沢山貰える。ならば「シーズン毎に新聞をかえた方がお得」と考えていたそうだ。
飽和市場の顧客は奪い合うしかない
よく考えてみると私たちの身の回りにはこうした事が溢れている。例えばクレジットカード業界がわかりやすい。
入会時には大量のポイントが貰えたり最初の 6 ヶ月間だけ還元率 2 % という大盤振る舞いがあるのに、ひとたび安定した顧客になると後は放置されるだけ。
ずっと使っていても虚しくなるほど企業のカモになるだけで、新たなクレジットカードに加入してその都度に大量の特典をもらった方がお得なのは間違いない。
そして当ブログのテーマである携帯電話業界もそうなっている。老若男女だれもが携帯電話をもつようになったいま顧客は他社から奪うしかない。
奪うとなれば iPhone をタダで配ったり、商品券を渡してまでガチでやってくる。飽和市場となった業界でもっとも激しい顧客の奪い合いと言えるかもしれない。
長期顧客は損をする・・・
「長期顧客を大事にするべき」という意見はご尤もに聞こえるが B to C ビジネスにおいては、どうやら長期顧客ほど損をするのが世の理であるような気がしてならない。
「サービスに不満のない人がお金を払い続けてくれる」ことが企業の目指すところとなっていて、そこに「愛着」が湧くと思うツボだ。
そして何より新規顧客を歓迎するキャンペーン費用は、長期ユーザーの安定した収益から賄われている。そう考えるとゾッとしないだろうか。
動いた方が圧倒的にお得
この仕組をわかった上で同じサービスを続けるのは全く否定しないが、積極的に様々なサービスを乗り換えることをお勧めしたい。
ひとつはくり返し述べたように新規顧客は手厚くもてなされるからだ。そしてもう一つは複数のサービスを比較することで知識が得られるという点。
いまやブログや Youtube で誰もが情報を発信できる時代であり、サービス内容を比較した情報は立派な収益元になり得るはず。
ここに書いたこと以外のサービスでも何でもいいと思う。インターネットプロバイダーの見直しなど、知らぬ間に長期顧客化して損していないか、身の回りをいちど整理してみる機会をもってみるといいだろう。
書いていてとても悲しい気持ちになるが、何やらこれが現実であることに変わりないようなのだ。
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