テレビもネットも iPhone 12 シリーズの話題で持ちきりだ。大手 3 キャリアは 10 月23 日に 12 および 12 Pro を発売予定で、予約開始の 16 日までに価格が揃う見通しだ。
ただしアップルストアや家電量販店で購入できる SIM フリー版はすでにアップル公式サイトにて発表されており検討している人もいるだろう。
面倒な手続きがなくキャリア価格より時に 1 万円以上安いことから人気の SIM フリーiPhone。しかし久しぶりの通信規格変更で 2020 年はすこし厄介なことになりそうだ。
各キャリア SIM 仕様変更の可能性
大手 3 キャリアは LTE に対応した 2012 年 iPhone 5 以降(ドコモは iPhone5s)、新しいiPhoneが発売されても SIM カードを入れ替えれば気軽に使える仕組みを貫いてきた。
au だけ iPhone5 ~ 7 / 8 ~ SE 第 2 世代と途中で VoLTE SIM に切り替わるが、ソフトバンクに至っては 8 年間も仕様が変わっていない。
ところが iPhone12 シリーズは「5G」 対応が目玉であり、各社は久しぶりに SIM カードの仕様変更の時期にきたわけだ。
実際 3 キャリアの5G Android 端末では 5G 契約が求められ 4G 契約での動作は保証されていない。
とくに KDDIは厳しい制限があり 4G 契約 SIM カードでは 同社 5G スマホが動作しないなどユーザーに 5G 契約への移行を促しているのだ。
(2020 年 3 月 26 日に 5G サービスを開始した KDDI は 10 月以降全モデルを 5G にすると宣言)
つまり本体だけ入手した場合は au ショップで 5G 契約に更新する必要があり、ドコモやソフトバンクも含めて iPhone 12 シリーズでも同様のことが起きても不思議ではない。
2021年7月8日情報追記
4Gから5Gへの契約変更はauのみ必要で、ドコモとソフトバンクは4G契約のまま4G受信できる事がわかっている。
MVNO は安心できる??
こうした話題になると当然ながら MVNO ユーザーも不安になるだろう。しかし 2017 年 8 月以降、大手 3 キャリアは総務省の指導により MVNO に対する制限を解除した。
それまで MVNO SIM は SIM ロック解除しないと使えない、解除してもテザリングが使えない等の制限があったのだ。
こうした経緯もあって下手に MVNO の 4G SIM をも締め出せば、キャリアとしては総務省から何を言われるかわからない。だから自社の 4G 契約 SIM は排除しても MVNO SIM は 5G スマートフォンで利用できるよう黙認せざるを得ないのではないだろうか。
それを裏付けるかのように、筆者が購入してきた各キャリアの 5G スマホは本日発売された Google Pixel5 (au) 版も含めて MVNO SIM の利用は何の問題もない。
(別途レビュー予定の Pixel5、au モデルを購入した)
同じ解釈を iPhone 12 シリーズに適応するなら、各社 MVNO SIM ではまだ普通に利用できる可能性は高い。
2021年7月8日追記
UQモバイルを含め4G契約のドコモ、au、ソフトバンクMVNOでの利用が確認できている。
大きく変化しそうな 2020 年・・・
いま政府主導の携帯電話料金値下げが注目を浴びている。4 割の値下げが実現されれば嬉しいが、同時にスマートフォンが難しく感じるのは「こうした様々な成約があるからだ」と筆者は考えている。
他社 SIM で利用しにくくなるよう「プラチナバンド」と呼ばれる周波数を端末から意図的に排除したり、バッテリー消費が激しいキャリアのアプリは任意で削除することができない場合もおおい。
さらに防犯の観点からカメラシャッター音が消せない仕様は騒音を立てると迷惑がかかる状況が考慮されておらず、シャッター音の消せる iPhone をわざわざ輸入する人だって少なくない。
SIM の仕様変更もキャリアが事前に公開すれば未然に防げるわけで、政府はこうした制約や制限の撤廃にも眼を向けて欲しいものだ。
端末のルールが明確であれば中古市場は活性化するし、人に頼らず自分でスマートフォンを選ぶことにも繋がるだろう。
少し話はずれたが SIMフリー iPhone 12 を検討しているキャリア・ユーザーは「auのみショップでの契約変更が必要」ということを念頭に置いておきたい。
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