スマートフォン市場から日本企業が次々と撤退していく中、買収もされずに残っているSONY。日本ではiPhoneに劣らぬ人気で、Androidの中では最も人気がある。
Bloombergなど経済系大手メディアも引用するIDCジャパンによれば、2017年11月時点での日本国内のシェアはApple、SONY、SHARP、京セラと続き、富士通が5位。
(出典:IDCジャパン)
だが注目したいのは2位から4位の3社はほぼ僅差であり、2位のSONYがいつ陥落してもおかしくない状況なのだ。色んな人がSONYに対して思っているであろう事を改めて書いてみる。
①ハイエンドしか展開しないビジネス、そろそろ限界なのでは!?
今、様々なメーカーが低価格のスマホを展開している。SHARPはAQUOUS Mシリーズ(SIMフリー)やAQOUS Sense。富士通だとArrows Mシリーズ(SIMフリー)、ドコモのArrows beにあたるだろう。
進撃のHuaweiやASUSも同様だ。今でこそMate10 ProやZenfone ARなど10万円クラスの機種を出す両社だが、最初はどちらも低価格帯で参入してきたと言っても過言ではないだろう。Huawei P8 lite、Zenfone5などまさにコスパ抜群だった。
京セラもauのGratina, Qua Phone, Qua Tab, TORQUEなど形を変え様々な端末を投入することでシェアを維持している。では、SONYはどうかといえば「キャリアからハイエンドを出すだけ」の存在になっており、SIMフリーでミドルレンジを投入してこない。
②実は海外ではミドルレンジを出しまくっている。
Sony Ericsson時代から海外では様々なXperiaを展開していたSONY。2016年あたりから、ローエンドを廃止してXperia XA, XA Ultraなどのミドルレンジに注力する。
(背面指紋認証で話題になっているXperia XA2。輸入しない限り手に入らない)
2017年に入るとDSDSに対応したXA1 Dual, XA1 Ultra Dualなど確実に日本人受けしそうなXperiaが次々に投入された。つい先日、新しいカタチをしたXperia XA2も発売されたが、いずれも海外でしか展開されず絶対に日本へやってこない。
最初は「キャリアからの圧力があったり、ミドルレンジは流行らないからでは!?」という声もあり、筆者もそのように考えていた。
だが、他のメーカーを見れば日本にもミドルレンジ需要があるのは明らかで、そこにSONYが参入して惨敗する姿は考えがたい。3位と4位まで僅差である現状を打破しなければ、京セラにも抜かれ一気に5位くらいまで転落する可能性だって十分に考えられるだろう。
最後に
半年に1回のサイクルで新型が出るも抜本的に何かが変わるわけではなく、マイナーチェンジを繰り返すSONYのハイエンド。流行りのベゼルレスにもいよいよ乗ってこなかった。
そこへ追い打ちをかけるように中国シェアNo.1のOPPOがR11sを携えて日本へ参入してきた。いよいよ、キャリアのご機嫌を伺っているだけでは限界が来ているのは明白だろう。一体SONYの会議室で何が起きているのだろうか。