ソニーは2020年から国内向けSIMフリーモデルを本格的に販売するようになった。
キャリアの手が加わっておらず、Dual SIMでFelicaに対応。これだけでも十分なのに、じつはマニアックな要素に溢れている。
(別途レビュー予定のXperia Pro-Iは即買いした)
海外端末ではごく当たり前のこと。しかし国産スマホではなかなか難しい仕様が公開市場向けでのみ実現された。
一体どんな内容なのか、今回はギークな視点から見ていきたい。
ドコモを含めたフルバンド
まず最初に強調したいのはNTTドコモしか使っていない、マニアックな周波数を含め全キャリアを完全に網羅していること。
特に5G NR n79、4G B21の組み合わせは超マイナーで、あのGoogle Pixelですら非対応。ここまで完璧に網羅するのは公開市場版Xperiaだけではないだろうか。
(画像はXperia Pro-Iの対応周波数)
チューニングもバッチリで、NTTドコモは4G環境で400~500Mbpsを記録する。
(表記は5Gだが実際にはドコモの超高速4Gで400Mbps越え)
そしてもちろんDual SIM(nano+nano)仕様。欲を言えば「ミリ波」も欲しいところだが、これは今のところXperia Proのみ実現されている。
SIMスロットが再起動しない
そしてもう1つの素晴らしい点がSIMカード交換中に本体が再起動しないこと。これはホットスワップと呼ばれる機能で2015年のAndroid6.0でサポートされている。
ところが日本のキャリアモデルはいつまでも非対応が続き、SHARPに至ってはSIMフリーモデルでも再起動する。
むろん普通の人はそんなに頻繁にSIMの交換などしないだろう。しかしネットワーク検証を趣味とするオタクには深刻な問題であり、ソニーがこの辺りを理解してくれたのは喜ばしい。
シャッター音を消せる
そして何より先進的なのが忌まわしきカメラシャッター音が消せることだろう。近年、Xperiaは海外SIMフリーモデルですら日本キャリアのSIMカードを入れると強制的にシャッター音が鳴っていた。
日本は防犯の観点から携帯電話のカメラ音を鳴らすようガイドラインに定められている。
さらにAndroid11では無音アプリによる完全無効化が塞がれる事態が起きていてシャッター音を嫌うユーザーの不満も高まっていた。
(画像はキャリア版Xperia Ace Ⅱ。容赦なくシャッター音がなる)
そうした中、ソニーはユーザーのニーズとよく向き合ってくれたと思う。当たり前のことが当たり前のようにできる喜びは相当なものである。
真の最強スペックとは
このように公開市場向け「Xperia 1 Ⅲ」と「Xperia Pro-I」はカメラとして優秀なだけでなく、忌まわしきキャリア仕様を無くした点で真の最強スペックだ。
スペックもSnapdragon888に加えROM/RAMがキャリア版から底上げされており、高額ながら一考に値する。
望遠ズームとワイヤレス充電に重きを置く人は「Xperia 1 Ⅲ」、ROM512GBに1型センサーで撮影した写真を撮りためたい人はXperia Pro-Iを検討してみてはどうだろう。
シャッター音有り、SIMスロット再起動、シングルSIM、バンド制限ありのキャリア版とはまったく違う世界感を楽しめるはずだ。
なおタイトルの2機種以外にも同じく公開市場版Xperia 1 Ⅱ、Xperia 5 Ⅱ等で同じ仕様が楽しめる。
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