早いもので、筆者が初めてDSDS(Dual SIM、Dual Standby)スマホに触れたのは2016年の今頃。香港版Galaxy S7 Edgeがたまたま対応していた事に驚いたのを覚えているが、2年後ふたたび驚かされるとは思わなかった。
(片方が通信用4G、もう片方が音声待受用4G)
DSDSから1つ進歩した、Dual SIM、Dual VoLTE。一体どんな違いがあって、何の役に立つのかという話を書いていきたい。
①DSDVとDSDSの違い、実はとてもはシンプル
Snapdragon820からサポートされ始めたDSDS(4G+3G)。SIM1枚目をデータ通信SIM、2枚目を電話専用SIMにするなど、用途によってSIMを分けられるメリットがある。特徴としては「片方のSIMが4Gの場合、もう一方のSIMは確実に3Gになる」というもの。
(SIM1、2ともに4Gの選択が可能になっている)
だから3GになっているSIMに電話がかかってきた場合、VoLTEに対応していても3G回線の品質になってしまう。ここで期待されていたのがDSDV。どちらのSIMに電話がかかってこようが、呂方ともVoLTE(4G)通話が可能になる。Galaxy S9搭載のSnapdragon845がDSDVをサポートしている事が裏付けられた。
②DSDAとは違うので注意
4G+4Gといえば、「おお、両方のSIMで通信ができるのでは!?」と思われがちだが、正確には違う。DSDSと同様、データ通信できるのはSIM1枚目だけで、SIM2枚目はVoLTE(4G)で通話を待機しているだけになる。
両方のSIMでデータ通信できる状態をDual SIM Dual Activeと呼ぶ。これが国内で実現すれば4G onlyなauが大活躍できることになる。筆者もDSDAまでは見た事がない。
③2018年、日本のSIMフリー市場でも広がるか
日本で発売されるキャリア端末はシングルSIMのみとなるため、恐らく難しいだろう。もしもリリースされるとしたら、Snapdragon845を搭載するSIMフリー端末となる。思い当たるのはASUSのZenfone、Motorolaのフラッグシップ端末になるだろうか。
勢いの止まらないHuaweiは自社開発のKirinというチップセットを利用しているため、なかなか予測が難しい。ただ日本ではMate 10 Proで既にDSDVをサポートしており、現段階ではSoftBankのみ4G+4G(DSDV)が利用可能とのこと。
HuaweiがauやdocomoにもDSDVを解放すれば面白いし、他のメーカーとの差別化する十分な材料にもなるだろう。
最後に
早いもので4G(LTE)サービスが開始されて今年で丸8年になる。もうそろそろ5Gの話も出てきているだけに4G+4Gと言われても、わりと当たり前といえば当たり前なのかもしれない。
VoLTEでも3Gでも通話品質はどうでも良いという方もいるかもしれない。ただし、au SIMが圏外にならないという日本ならではのメリットがある。今後の展開に期待したい。