既にMVNO事業でシェア1位を誇る楽天モバイル。申請していた1.7GHz帯を獲得し、第4のキャリアとしての参入が正式に決定することになった楽天。これが既存大手3キャリアを脅かす存在になるか否かは予測がつかない。
ただ、1つ言えるのは同じく第4のキャリアとして参入し、結局はSoftBankに買収された旧イー・モバイルに状況がそっくりなのだ。
①イー・モバイルも1.7GHz帯から始まった・・・
1.7GHz帯といえば、旧イー・モバイルが獲得した電波帯だ。世界で幅広く利用されており、現在はLTE Band3として知られている。2GHz帯(Band1)よりも屋内へ浸透しやすく、楽天は全国区での基地局整備に取り組むはず。
しかし問題なのは、旧イー・モバイルと同じく「楽天が持つ周波数が1本だけ」であること。欧州などでもLTE Band3しか展開しないキャリアは散見されるが、多くは3GとGSMを備えており4Gが切れても何かしらの電波を掴む工夫がなされている。しかし日本にGSMは存在せず、楽天は3Gも保持していない。当時のイー・モバイルそっくりなのだ。
②「いずれは独自網だけで」という厳しい条件
最初はドコモ回線を借りたまま事業を展開するという方針だったらしい。だが、「いずれは独自電波だけでサービスを普及させること」という条件付きの認可になったようだ。(ケータイwatch参照)
ということは、やはり電波は1本だけという事になる。今はdocomoの電波を借りているから人工カバー率は必然的に高くなるが、この話の流れだと自立すると同時に電波状況が悪くなるはず。この辺りを楽天はどう考えているのだろうか。
最後に
旧イー・モバイルと楽天、決定的に違うのは知名度だろう。イー・モバイルは当時、社名すら聞いたことないという人が圧倒的に多かった。対照的に楽天は抜群すぎる知名度を誇る。だから「楽天が参入してきた!何かやってくれる!」という期待はイー・モバイルのそれよりも計り知れないほど大きく、戦略次第では顧客を獲得しやすいはず。
さて、電波1本だけで頑張れるのだろうか。SoftBankですら900MHz帯を獲得するまでは2GHz帯1本だけで苦労した。今やFDD-LTE Band1, 3, 8, 28に加え、TD-LTE B41, B42を展開し、もはや予備として3G Band1, 8を持っている。楽天の敵は強い・・・