たった500円程度で企業イメージの損失を招いているテザリング料金問題。auに続きsoftbankも5月から始めるようだが、とにかく消費者の納得を得られていない。
既に色んな方が論じているので細かい説明は省くが、なぜ両社のテザリング料金が不当に見えるのか。これはFOMA時代にdocomoが徴収していたテザリング料金を振り返ると見えてくる。
①外部機器接続料金として存在したテザリング
まだスマホが少数派だった2010年頃、docomoにはアクセスポイント(親機)という名称で実質的なテザリングサービスが存在していた。しかも料金が異常に高く、低速128Kbsで月額5,000円以上、高速7.2Mbpsで1万円以上したはずだ。
(ガラケー時代にテザリング機能を搭載していたF-06B。2010年当時、筆者はこれでテザリングをしていたが、とにかく高額だった。)
なぜ高額なのかと言われれば、auが主張する通り。「PCなどの外部機器による通信は帯域を圧迫させてしまうから」なのだろう。言い換えれば「テザリングを使って重い通信をされると、多くのユーザーの回線が重くなるから」ということになる。
ガラケーの通信とPCの通信では、消費パケット数に膨大な差があった。だからテザリングをする人は「高い追加料金」を払っていたし、代わりに帯域を圧迫するような通信をしても厳しい容量制限などはなかった。
②矛盾しているauとSoftBank
ところでauとSoftBankのテザリング料金は、昔のdocomoと違う。テザリングすること自体から料金を徴収している。彼らの主張は上述した通り、「テザリングが他の人の通信を圧迫するから」という内容だ。これが些かおかしい。
今はスマホでも重い通信(HuluやYoutubeなどの動画視聴や重いゲームファイルなどのダウンロード)はPCと然程かわらない勢いで発生する。テザリングが通信を圧迫するというのは一昔前の話だろう。
昔(ガラケーFOMA時代)と違ってPCで通信しようが、スマホで通信しようが、消費するパケット量に変わりはない。だからdocomoはテザリング料金を徴収しないのではないだろうか。
最後に
報道されている通り、いわゆる格安SIMなどにテザリング料金などと言うものはない。docomoと同様、契約したパケット量はスマホで消費しようが、テザリングで消費しようが関係ないからだ。
この辺りを曖昧にしていると消費者は離れていくだろう。ましてauはSIMフリー端末で使える機種が少ないなど弱点があり、サービス面で魅力がなければ三太郎の面白いCMも無駄になってしまう。社長交代を機に、もう少し考えて欲しいところだ。