NTTドコモオンラインショップの売筋ランキングに「Pixel Fold」が初登場5位にランクインした。
(初登場首位。7/24~7/31集計)
発売直後のフォルダブル端末としては異例の快挙。何故そこまで売れたのだろう。
今回は初心者の視点で見えてくる「Pixel Fold」の魅力とドコモの売筋ランキングを考察したい。
「あたりまえ」に使える安心感
横開きのフォルダブルはスペックの進化が目覚ましく、今年は「Huawei Mate X3」が239gの超軽量ボディで世界を沸かせた。
直近で発表された「Galaxy Z Fold5」もヒンジ部分の改善や軽量化に成功し、順当な進化を遂げている。
そうした機種と比べれば「Pixel Fold」はスペックや価格面で確かに見劣りするだろう。
しかし、じつは1つ大きな盲点がある。多数存在する横開きのフォルダブルはほぼ中国メーカーが占めており、グーグルが一切利用できない。
(画像はVivo X Fold。Googleは手動で入るが通知はこない)
また多くが防水を搭載しておらず、日本上陸を果たしても勝負できる土台が揃わない。
つまり見劣りするはずの「Pixel Fold」はグローバル展開という視点ではGalaxy以外にライバルがおらず、スペック以外の要素でも十分に差別化できるのだ。
コンパクトなサイズ感、かつ防水・Felica・グーグルを完備した「Pixel Fold」は日本人が25万円を払う要件をようやく満たしたと言えるのだ。
スマホを輸入したり、防水がなくても平気な人には「Pixel Fold」が物足りないのも理解できる。
しかし防水・Felica・グーグルという当たり前を重視する初心者には小型で持ちやすく、グーグル社という安心感に興味を引き立てられたと言えないだろうか。
分厚い既存顧客が流入か
では何故ドコモでトップ5にランクインしたのか。答えは価格設定と既存顧客優遇にありそうだ。
同機種はKDDIとソフトバンクも取り扱うが、両社とも2年後の返却を前提とした割高設定。対してドコモは一括購入がグーグルストアよりも安い。
購入者には3万円分のdポイントが付与されることから実質22万2,890円。ドコモだけが激安だったことがわかる。
興味深いのはこの価格を新規顧客に限定しなかったこと。別の記事で増える予定だが、最近ドコモは新規優遇をやめて既存顧客の囲い込みに舵を切り始めている。
普段なら「お得なのは新規限定か。長期ユーザーも優遇してよ」とため息が聞こえてくる。しかし今回は「機種変更でもいいの?よし買ってみようかな」と思わせた。
オンライン購入なら機種変更がゼロ円で手続き不要。この手軽さも売筋上位ランクインに貢献した要因かもしれない。
ということで「Pixel Fold」は小型フォルダブルを求めていたユーザーにそれなりの需要がありそうだ。
KDDIやソフトバンクでも今後のキャンペーン次第では売れるかもしれない。ただしGalaxyとのスペックや機能差が開いているのも事実。どこまで勝負できるだろう。
すべてはグーグル次第。今後のアップデートが楽しみだ。
リンク:ドコモ売筋ランキング
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