今回のiPhoneで期待されたDual SIM(物理SIM2枚挿し)は、結局のところ中国・香港・マカオ地域のみの販売となり、日本はサービスの対象外となってしまった。
しかし、「ならば輸入すればいいのでは!?」という声も上がっており、密かにワクワクしている人も多い。筆者もその一人なのだが、「輸入したところで周波数はどうなの!?」とか「いくらくらいするの?」という疑問に迫っていきたい。
①日本キャリアにほぼ対応、普段使いには問題がなさそう
Apple Hong Kongの英語版サイトを見てみよう。Dual SIMに相当するXS Maxの周波数が出ている。
(TD-SCDMAとは中国だけで利用されている3G周波数。6億人も利用者がいるから驚く)
大手3キャリアが利用している周波数は以下の通り。
ドコモ LTE Bands 1, 3, 19 3G UMTS (2100/800)
au LTE Bands 1, 18, 26 TD-LTE Bands 41
Softbank(Y! mobile) LTE Bands 1, 3, 8 TD-LTE Bands, 41 3G UMTS/HSPA+ (2100/900)
よくわからない人もいるかもしれないが、「ほぼ問題なく使えるはず」というのが結論だ。もちろん、Band28、42など日本版には存在するアンテナがいくつか欠けているが、いずれの周波数も日本で「必須」とまでは言い切れないため問題ないはず。
②auはiPhone7、8、Xで動作を確認したが・・・
経験上、ドコモとSoftBankはSIMを入れてしまえば、ほぼ間違いなく動作する。問題はau系SIMだ。過去に香港版所有者からお借りして検証した結果、どれもVoLTE SIMでの動作を確認している。
しかし、技適が通過していなければ保証はできず、こればかりは自己責任となる。何かわかれば追記したい。そしてもう一点注目したいのがFelicaが日本国内で利用できるか否か。7では全世界のモデルにFelicaが隠されていたものの利用できず、8とXでは利用可能になった。今回はどうなるだろうか。
③価格は日本とほぼ同水準
今現在、HKドルが1ドル約14円となっている。これを元に現地価格を見ると日本価格とあまり変わらない。
64GB 約132,986円、256GB 約151,186円、 512GB 約174,986円と見事なまでに変わらない。ただ現地に住んでいなければ注文はできないため、旅行で買ってくるか、多少上乗せされた物を輸入するかという事になるだろう。
④夢いっぱいの香港版
まだドコモがiPhoneを取り扱う前、iPhone4や4sのSIMフリー版を輸入して遊んでいた人はあの頃を思い出して欲しい。存在するはずのないdocomoロゴ、SoftBank版にはなかった「テザリング」機能、シャッター音なしのカメラを。
あのような夢が再び蘇るかもしれない。誰も持ってないDual SIM、無音シャッター音、香港から輸入しているという妙に意識高くなる感覚。実現すれば6年ぶりくらいに熱くなりそうだ。