日本で一斉を風靡した国内メーカーは、次々と携帯電話から撤退していった。SHARPも鴻海傘下の外資系となった今、ソニーモバイルは京セラと並ぶ数少ない国産メーカーとなった。
しかし赤字に次ぐ赤字からSONY全体の足かせとなっており、株主などから「撤退」を視野に入れるよう怒号が飛ぶ。そんな窮地で発表された縦長スマホ、Xperia10/Plusは日本国内で巻き返しを図るものになり得るのだろうか。
①窮地ですら日本への導入は不透明
最初に断りを入れておくと、そもそもXperia 10が日本で発売される可能性は未知数だ。ソニーモバイルは海外モデルとしてXperia XAシリーズを2016年から展開してきた。それ以前もXperia M4 Aqua、M5 dualなど実に様々なシリーズが存在した。
(画像はXperia A2 Ultra。6インチの大型サイズも普通にあるのだ)
しかし、この買いやすく魅力的なミドルスペックは、なぜか決して日本で発売されないのだ。Xperia 10/Plusもミドルスペックであるため、従来通りの法則ならば国内販売は期待できないことになる。
②ミドルスペック市場の覇権はSHARPやファーウェイに
お膝元の日本でデザインされた物が、日本で発売されない理由は何だろう。キャリアへの忖度だとか様々な憶測が飛び交っている。しかし、事業存続がかかった今、まだそんなことを言っていられるのだろうか。
低価格スマートフォン市場はSHARPが圧倒的なシェアを獲得し、国内スマートフォンシェア2位に躍り出た。中国勢はファーウェイも急上昇する中、昨年はOPPOの参入まで許してしまった。ここにSONYの文字はない。
最後に
SONYのモバイル事業存続には、ミドルエンド機種の投入が絶対条件となるだろう。崖っぷちの今、キャリアに媚を売っている場合ではなく、なりふり構わずMVNOや量販店との連携で売上を伸ばさねばならない。
奇しくも通信と端末の分離政策により、ハイエンドモデルは破格での購入が難しくなるかもしれない。ならば一層Xperia 10/Plusを投入すべきだろう。これでも国内販売がなければ、それ以上に何も言うことはない。。