先月、バルセロナで開催された MWC2019 では、Samsung, OPPO, ファーウェイなど世界大手メーカーが「5G」デモを披露し、大きな盛り上がりをみせた。
(まずは家庭向けに始まっていた5Gが、モバイルにも到来する)
「いよいよ新しい時代が来る」と誰もが期待する中、アメリカ Verizon Wireless が先陣を切って来月「5G」サービスを開始する。しかし、世界中の期待は根本から覆されるかもしれない。
①高速以外のメリットが見いだせない状態
「5G」技術がもたらす「超高速」、「超低遅延」は4K並の動画をリアルタイムに受信したり、遅延のない遠隔操作を可能にするとしている。
ただし、現在のスマートフォンでは「高速」以外の恩恵が受けられない。それゆえに大画面の折りたたみスマートフォンが誕生したと言われるが、それらがどんな価値を見いだせるかも不透明だ。
②日本でも実験的、本格化は2020年以降
「5G」モデムと互換性を持つ Snapdragon855 搭載スマートフォンは既にいくつも発表されている。Galaxy S10シリーズ、Xperia1, Lenovo 5G Pro他、今年は50以上がリリースされるらしい。
(筆者購入のGalaxy S10+も「5G」モデムと互換性があるだけで4Gだ)
「5G」互換スマホがいくら誕生しようとも、実際は 4G 時代があと数年は普通に続くだろう。日本でもドコモと KDDI が 9月の参入を目指すも、一般顧客むけではないとする。
東京オリンピックが終わって、本格サービス開始に間に合うかどうか。
③「5G」、明らかに早すぎたのでは!?
ここ数年、「 5G はまだか」と言う兆候があって、「2019年、ようやく開始だ」という段階にさしかかった。しかし、蓋を開けてみれば基地局はおろか、対応スマートフォンは実験中のものばかり。
第一線のジャーナリストからも、「実際に手にとって触れる実機がない」と落胆の声がきこえてくる。そう言えば原宿にオープンした Galaxy ショーケースでも、Galaxy Fold の展示はあるが触れないらしい。
準備段階であるのは重々承知だが、堂々とサービス開始するタイミングではなかったのではないだろうか。高速すぎるだけに、到来するのも早すぎた。今年前半で大きな盛り上がりを見せたが、過度な期待は禁物となるだろう。