韓国のスマートフォン事情を調べに首都ソウルへやってきた。若者やシニア層はどんな端末を使っているのか。
(ソウル市内のサムスン電子本社を視察。商品の展示や販売もある)
目視による感覚、現地ショップのラインアップ、統計データによる 3 つ点で調査したところ興味深い結果となった。
(現地で SIM を調達すると、その台紙がSuicaのように使えて交通機関を利用できる)
先に結論をかくと、スマホ市場を形成するメーカーが実質的に 3 社しかない極めて珍しいマーケットなのだ。
① やはりサムスンの国、1位はギャラクシー
まず一番はなんと言っても Galaxy の圧倒的な多さだろう。予想を遥かに上回るほど普及している。ソウル市内の広告戦略は国策かと感じる程だ。
( 4 月 5 日には 5G サービスが開始され、契約は 26 万件を越えた)
日本で AQUOS や Xperia が愛されているように、自国のメーカーを誇らしく思う気持ちはここ韓国でも同じなのだろう。
また、スマホ機能をあまり必要としないシニア層は Galaxy Folder いう折りたたみケータイを持つことが多い。
② 韓国でも大人気のアップル、Galaxy に次ぐ
次に多いのは iPhone だ。Galaxy との合算で、大体 9 割の市場を形成している。
(LINE 発祥の地でもある韓国。スマホケースは iPhone と Galaxy だけ)
残りの 1 割はといえば、ようやく LG が入ってくる。広告は溢れるものの、持っている人をあまり見かけない。
ちなみに折りたたみスマートフォンの1つとされる LG V50 ThinQ も CM だけが盛り上がっており、実際に店頭で関心を示す人は多くない印象だった。
サムスンと同じ自国メーカーだが、振るわないのは決定的な何かがあるのだろう。
③ 実質的に 3 メーカーしか存在せず
さて、4 位以下を調べようとしても中々それらしき物が見当たらない。統計データを探してみると、やはり実質 3 社しかないようだ。
( 2018 年 4 月~ 2019 年 4 月までの統計。 RIMとは BlackBerry だろうか)
これを裏付けるかのように、キャリアショップや白ロムショップでも、基本的には 3 社ブランドの扱いばかり。
( 店頭の風船や粗品の山は日本と似ている)
中古スマートフォン市場も楽しみにしていたのだが、ファーウェイや OPPO、ASUS などは参入する余地がなく、あまり楽しめなかった。
最後に
4 月 5 日に 5G が開始された韓国だが、さすがにまだ盛り上がっている様子はない。
契約者数が 26 万件を突破したと報じられているのは、対応端末である Galaxy S10 5G が貢献したのだろう。
端末の楽しみは少ないものの、逆に向こう 10 年の未来を担う 5G を最速でスタートさせた国。どんな未来を見せてくれるだろうか。
地味な市場だが、まだ伸び代を秘めている気がしてならない。
出典:Mobile Vendor Market Share Republic Of Korea