MVNOといえばドコモ回線を利用した事業者が圧倒的に多く、au回線は非常に少ない。SoftBankのMVNOはといえば昨年に日本通信が初めて実現した。その後nuro mobile、スマモバなどがサービスを開始。旅行大手のH.I.S、LINE MOBILEもSoftBank網を使ったサービス開始を予定している。
(当ブログでも紹介したSoftBankの格安SIM、日本通信版)
このように少しずつ増えてきたSoftbank MVNOなのだが、Y!mobileの存在があまりにも大きく、シェアを伸ばすのは難しいのではないだろうか。今回はそんな話をしたい。
①充実しすぎたサービス、Y!mobileの存在
今まで実質的にSoftbankの格安SIMという位置付けにあったY!mobile。ワンキュッパのCMでお馴染みだが、料金には見えない大きなサービスが含まれている。
1. 全国のSoftBank Wi-Fiスポットが利用可能
2. ヤフオク参加に必要な月額498円が無料
3. 全国規模でショップがある安心感
特に大きいのが3であろう。先日、MVNOのデメリット③で書いた「ショップが存在しない」というMVNOの弱点をY!mobileは見事にクリアしている。仮にショップが近くになくとも、困った時は151のお客様センターへ電話すれば何かしらアドバイスを受けることができるはず。
②Softbank MVNO、基本的にはiPhone用SIMのみ
ところでドコモとauのMVNO SIMはiPhoneやAndroidで利用できるのだが、Softbank MVNOは現時点でiPhone向けSIMしか展開されていない。。
解析したAPNをSIMフリー Android端末で使うという荒技もあるが、あくまでも非公式な使い方であり動作保証などは一切ない。だからSoftBank Xperiaなどを使いたくとも、MVNOのSIMでは利用できないのが現状だ。
③一向にアナウンスされない、テザリング
非常に重要な項目の1つ、テザリングがSoftbank MVNOでは利用できない。総務省はこうした制限がなくなるよう訴えてきたはずで2018年春までにはテザリングが解放されるはずだった。
ところが3月も下旬にさしかかろうとしているのに、SoftBank MVNO向けテザリングはiPhoneで使えないままの状態にある。
最後に
Y!mobileは低価格ながらSoftBankのWi-Fiスポットや、ヤフオク参加に必須となるYahooプレミアム会員を無料にしてくれるなど、目に見えない付加価値がいくつも存在している。そして回線速度はSoftBankそのもの。
これに対抗するSoftBank MVNO事業者は、同じく目に見え得ない付加価値や料金体系でY!mobileと差別化が図れない限り、生き残っていくのは難しいだろう。それとも何か秘策でもあるのか、これからのSoftbank格安SIMには注目していきたい。