2 月下旬から Xiaomi Redmi Note 9T が全国のソフトバンクショップで販売される。
5G、Felica、防水・防塵に対応しながら価格は 21,600 円(税込)と破格。
しかしソフトバンクの独占販売であることから「自分はドコモ(au)だから買えない」という人も出てくるだろう。
たしかに昔は回線ごと乗り換えるしかなかった。しかしこの 10 年でスマートフォンをめぐる環境は大きく変わり「独占販売」とは名ばかりと言っても過言ではない。
独占販売が大きな武器だった 2010 年頃
例えば 2010 年に日本中が沸いた iPhone4 を思い出して欲しい。
今回とおなじくソフトバンクが独占販売していたあの頃は、本体だけで販売してくれるはずもなく中古で購入しても SIMロック解除ができなかった。
(今でこそキャリアフリー、本体単体購入が可能になった iPhone)
だから日常生活で iPhone を利用するにはソフトバンクに MNP するほかなく、こうした意味で独占販売は顧客の囲い込みで大きな意味をなしていた。
しかも 2010 年はアップルの創設者、故スティーブ・ジョブズ氏が「スマートフォンでもない、PC でもない第 3 のカテゴリー」として iPad をリリース。
(画像は初代 iPad。マルチタスク非対応の iOS3 を搭載してリリースされた)
するとセルラーモデルはこれまたソフトバンクが独占し 3 キャリアの一角として成長させる起爆剤となったわけだ。
選択肢が広がりすぎた 2021 年の独占販売
しかしそうした独占販売の効果もいまや薄れつつある。
2019 年 10 月に施行された「改正電気通信事業法」によって私たち消費者は本体だけの購入が可能になった。
つまりキャリアショップで「これください」と言われれば、ショップは回線契約なしに販売したり SIM ロックを無料で解除しなければならない。
この制度を利用して筆者は同じくソフトバンクが独占販売した OPPO Reno3 5G を本体だけで購入したことがある。
(本体価格はそのままで、SIMロック解除手数料も取られない)
お会計前にスタッフが SIM ロック解除してくれたおかげで、すぐに楽天モバイルを挿して使うことができたし、他社バンドにフル対応しているためドコモや au MVNO 回線でもバッチリ使えている。
au の Galaxy Z Fold 5G など曲がるスマートフォンだって同じだ。UQ モバイルやBIGLOBE モバイル au 回線を使えば憧れの端末を 1,000 円台で維持できてしまう。
このように 10 年前にはキャリアを急成長させた独占販売は、その効力を失いつつあると言えないだろうか。
在庫はどこいった?販売してくれない問題
以上の理由から 2 月 19 日発売の Xiaomi Redmi Note 9T はソフトバンク独占販売と謳われるも回線なしで購入できる。
スペックをみるとドコモ、au、楽天モバイルの 4G を網羅しているから他キャリア SIM でも充分に楽しめるはずだ。
だが 1 つだけ問題があるのも事実。回線契約なしで販売するというのは、ショップとしてはまったく利益にならないそうだ。
だから「本体だけ欲しいのですが在庫ありますか」と電話で問い合わせると「予約でいっぱいでありません」とか「MNP限定で販売しております」と言われ、本当は在庫があるのに販売してくれないことが予想される。
(直営店ですら本体のみの販売は敬遠される。銀座ではビックカメラを案内された)
じっさい 2020 年 10 月、22,000 円以下に値下がった AQUOS Zero2 (806SH)を本体だけ買おうとしても販売してくれない店舗が相次いで、Twitter では「在庫が無くなったり出てきたりする」と話題になった。
【速報】オレ氏、AQUOS ZERO2の身柄を確保((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル#はぁ〜また買っちゃった pic.twitter.com/cltShzm6mQ
— Skyblue (@skyblue_1985jp) September 9, 2020
(14 件くらい電話してようやく確保した)
快く販売してくれるのは筆者の知る限りビックカメラのソフトバンクコーナー。近くに店舗がある人は「移動機物品販売でお願いします」と欲しい機種を指定しよう。
今までは割高な機種が多かったせいか、単体販売に興味をしめす人はそこまで大きくなかった。しかし 21,600 円(税込)で販売するとなれば、それなりに本体を求める人がでてきても不思議ではない。だからこそ注目すべきポイントなのだ。
そして今は本体だけ買える時代であること知って頂けると幸いである。携帯電話をめぐる諸制度はまだまだ変わるだろう。
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