NTTドコモはデータ通信をあまり使わない人向けの「エコノミーMVNO」の取り扱いを10月21日より開始すると発表した。
ドコモショップでMVNO回線を提供するというサービスでまずはOCNモバイルONEが店頭で契約可能となる(提携詳細はドコモ公式を参照)
ではこの取組み、一体どんなメリットやデメリットがあるのだろう。今回は筆者の視点から現時点で揃った情報をもとに解説したい。
ショップで設定してくれる
大きなメリットは「誰もが確実に携帯電話料金を下げられる」ことだろう。
ドコモは政府の値下げ要請に応えて格安プラン「アハモ」を3月から提供してきた。
ところが店頭サポートが無いことやあまり通信しない人は恩恵を受けられずにいたのも事実。
エコノミーMVNOはまさにそうした問題を解決するサービスでなんと店頭サポート付き。
また欲しい端末があればドコモショップで取り扱うスマートフォンも初期設定付きで購入できる。
(iPhoneを残価設定で安く持つこともできそうだ)
ここまでのサービスが含まれるなら携帯電話操作が苦手な人から高齢者まで、誰もが携帯電話料金を引き下げられるはずだ。
ドコモスマホ教室が使える
そしてもう一つのメリットが「ドコモスマホお教室」に参加できること。MVNOデビューしたのはいいが操作方法がわからず不安という人の事情がよく考えられている。
(どこまで無料なのかは明らかでない)
今までドコモを使っていた人なら行き慣れたショップでいつものスタッフさんが案内してくれるかもしれない。
回線はMVNOだが窓口はドコモ。ネット専用プランのpovoやLINEMOにうまく差別化を図ったと言える。
デメリット
あくまでも「MVNO」回線
さてここでデメリットにも触れておこう。ドコモショップが提供するから回線速度含めてすべてがドコモのサービスだと思いやすい。
だが実際にはMVNOの設備によるMVNO速度に変わりなく、それにより次のようなデメリットが挙げられる。
・本家より速度が遅い
・キャリアアドレスが使えない
とくにドコモの既存顧客は「キャリアメール」利用者が少なからずいるはずで、持ち運べないなら契約しないなんてケースも想定される。
(Apple Watchのセルラー機能も利用できなくなる)
政府は3キャリアにメールアドレスの持ち運びを要請しているが、どうやら間に合わなかったようだ。
550円は客寄せである
さらに550円で0.5GBが非現実的であること。Wi-Fi中心であれば1GBで足りる人は存在する。
だが0.5GBは少しやりすぎだで遅かれ早かれプラン変更が必要になるだろう。60歳以上は無料で0.5GB増量とされるも期間は1年間限定。
3GBで990円、6GBで1,320円といずれも良心的な価格で、スマホ操作に慣れれば信じられない程の料金引き下げを体感できるはずだ。
NTTドコモの反撃なるか
今回の取り組みは携帯電話料金引き下げで失った回線収益を端末と補償で回収する動きに見えてならない。
ドコモショップでOCNモバイルONEの契約をとる代わりに自社スマートフォンを買ってもらう。ケータイ補償に加入させて粗利益を稼ぐわけだ。
さらにdカード契約の格好のチャンスにもなるから「反撃」というより「ビジネスの方向転換」とも見える。
もちろんKDDIやソフトバンクからMNPで移行するケースもあるだろう。ただし彼らにはUQモバイルやワイモバイルという店頭サポート付きのサブブランドがある。
MNOスピードだから回線品質も高く、そこから顧客を根こそぎ持ってこれる程エコノミーMVNOに訴求力があるとは思えない。
何よりソフトバンクは「LINEMO」へのテコ入れ(povo2.0への対抗)を準備中であり、ドコモはまだまだ安心できる状況ではないし、本質的な反撃にはならないはずだ。
リンク:ドコモ
Twitterをフォローする!@skyblue_1985jp