経営再建中の JDI (株式会社ジャパンディスプレイ)が危機的な状況に陥っている。
今年の 2 月に中国・台湾の連合企業から支援を受けることで合意していたが、出資されない可能性が浮上した。
有機 EL ディスプレイのトレンドが影響か
JDI はアップル社から液晶パネルの受注を続けているが、同社の製品は少しずつ「有機 EL」にシフトし始めた。
製品の薄型化に貢献するだけでなくディスプレイを曲げられる新たな需要の掘り起こしにも期待がかかっているのだ。
( iPhone X から採用された有機 EL ディスプレイ)
さらに有機 EL は「ディスプレイ指紋認証」を実施しやすいためハイエンド端末を中心に需要が増えている。
確かに今年は Galaxy S10, P30 Pro, OPPO Reno など有名どころはコゾって指紋認証を画面内に搭載している。
物理キーの廃止がトレンドとなれば、自然と需要は高まるだろう。この影響を受けて同技術に強いサムスンは、ディスプレイ市場で 40 %ものシェアを誇る。
JDI は12.3 % のシェアを誇るものの、支援を打ち切られそうな程に勝算が薄いのだろう。
最悪の事態を回避できるのか
本日行われた株主総会では、10 月に社長就任予定の菊岡氏が「他の投資家からの資金調達を急ぐ」と発表した旨を日本経済新聞が報じている。
当初に合意していた企業が離れる程にリスクを抱えた企業に、救いの手は現れるのだろうか。
中国系傘下で落ち着くはずだった JDI がまた混迷を極めている。
出典
Samsung remains the undisputed leader of the display market