SIMフリーということは、「何のSIMを入れても動作するし、海外でも使える」という認識で基本的には間違いない。iPhoneがいい例で、ロック解除さえすればどのキャリアでも利用できるし、どの国でも使えるようになる。
だが、実際には「SIMフリーなのに自分のSIMと合わなかったとか、SIMが反応しないという事」が実によく起こる。今回は、このSIMフリー市場を混乱させる2つの要素について触れたい。
①ルーターに多いIMEI(端末製造番号)制限
使い放題を謳うモバイルWi-Fiルーター。ここに入っているSIMをAndroidやiPhoneに入れれば「スマホが無制限ルーターになる」と思う人がいてもおかしくはない。
(無制限で良くも悪くも話題になった懐かしき305ZTルーター)
(IMEI制限をくぐりぬけて、ドングル型USBでWiMAX2+を利用する筆者のようなマニアもいる・・・)
うまくできているもので、例えばWiMAX2+なら同社のルーター間でしかSIMを使い回せない仕組みになっており、スマホでは一切の利用ができない。SoftBankやY!mobileも同様で、スマホ用のSIMとルーター用のSIMが明確に分かれている。
②au VoLTE SIMの存在
もう一つがauの存在だ。同社は世界的にも稀な3Gネットワークを利用していたため、SIMフリーとの相性が悪かった。しかし完全に4Gに移行してもなお、厄介な存在となっている。
特に混乱を招くのは、今国内で大人気のHuaweiスマホとの相性。同社はP20などPシリーズの他、novaシリーズ、honorシリーズ、更にMateシリーズなど幅広い種類を展開しているが、au対応か否かは逐一調べなければわからない。
「P20 liteがau対応だから上位機種のP20もいけるはず」という憶測すら通用しない。かといって、使えないと諦めていたら10ヶ月後にアップデートで対応するような例もあるため、本当によくわからないのだ。
最後に
本来であれば、どんなSIMでも利用できるはずなのだが、IMEI制限やau VoLTE非対応といった制限が加わると「何のためのSIMフリーなのか」と、理解不可能になってしまう。
消費者側が詳しくなる必要があるとはいえ、興味を持ち勉強している筆者ですら混乱するのだから、初心者の方が理解できなくとも仕方ない。日本はSIMフリースマホすらガラパゴスなのだろうか。