シンプルすぎる故に、機能の一つ一つが大きな迫力を見せるPixel3 XL。デュアル、トリプルレンズなど複数レンズが流行る中、まさかの単眼レンズを使ってiPhone XS Maxに挑む姿勢は驚いただろう。
AIを使えばレンズは3つも必要ない、無制限のクラウドストレージを使えば容量512GBも必要ないと、無言ながらに様々な事を訴えかけてくる。それがPixel3だと筆者は思っている。使ってみて概ね満足なのだが、今回は惜しいなと思う点をお話したい。
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①顔認証機能がないのはなぜ・・・
まず思ったのが、顔認証機能がなかった事。iPhoneXに始まった顔認証は今やAndroidのトレンドの一つとなっており、顔認証のないハイエンドスマホを見つけるほうが難しい年だったはず。
Googleが「顔認証は不要、指紋だけが信頼できるセキュリティなのだ」と方向性を決めているのであれば理解できるが、「自信がない」という事であれば少しがっかり。いずれにせよGoogleの顔認証精度を体感してみたかった。
②さすがに深すぎるノッチ
ノッチが流行ったことも2018年のスマートフォン業界の大きな出来事だった。Huawei P20 Proなどユーザーに気を使って最小限に抑え、気にならない物が目立ったように思う。ノッチを隠すモードがあるくらい、恥ずかしいと思う人がいるわけだ。
一方でPixel3 XLのノッチはさすがに深い。ディスプレイが大きいから気にならないという次元ではなく、ディスプレイが大きいけどノッチも比例して大きくなっている感覚なのだ。
深すぎるゆえ、隠すことができないノッチ。ほぼ98%満足していただけに、ここは「うーん」と理解に苦しむ点となった。
③存在意義の示し方が下手すぎる
上述した2点以外は概ね満足しているし、それ以外に特に不満はない。もう一つあるとすれば本体価格の設定だろう。Pixel3 64GBは、ほぼ10万円。最上位機種のXL 128GBは13万円を超える。
ROM256GB、RAM8GBが流行る中で、その半分のスペックだ。顔認証もなければカメラ・レンズは1つだけ。それでも高いのはなぜなのか。そこを明示できる決定的な要素が欲しかった。
もしも、Googleが自社やAndroidを安売りしたくない方針であれば、それはそれで納得できる。ただ、現状はそれを伝えきれず「ただただ、高い端末だよね。何がいいんだろう」と思われて終わってないだろうか。もう少し上手に存在価値を示してほしかった。
最後に
ようやく日本にも上陸したGoogle Pixel3 XL。高額だから持っている人も少ないし、誰よりも早くピュアで最新のAndroidを勉強できる。AIによるシングルレンズのカメラはワクワクするものがあるし、auネットワークにもバッチリ対応。
検証が好きな人やGoogle時代を生き抜く人には是非お勧めしたい端末だ。顔認証がなく、ノッチが深すぎるなどと述べたが、敢えて挙げればというレベルなので、気にならない人で「ぜひ欲しい」という人は高くとも買ってみる価値は大いにあるだろう。
筆者も検証するユーザーとして大事に使っていきたい。