先日、香港から陸路で中国深センへ行ってきた。香港の中心部「旺角駅」から終点「羅湖駅」まで電車で約 30 ~ 40 分。
そこから歩いて国境を越えれば中華人民共和国だ。一見すると同じ中華圏なのだが、私たちの生活に欠かせない Google への接続が一切できない。
今回は、ネット規制が強くなった中国の体験談をお話したい。
① Google に接続できない世界とは
私たちは普段、知らずしらずのうちに Google に依存した生活を送っている。
特に Youtube、Google Map、Gmail 、検索エンジンは不可欠という人も多いだろう。
(電波調査用の SIM を契約。Google が使えないという確認をうけた)
こうした私たちの日常は、入国した瞬間から奪われてしまう。
暇つぶしに Youtube が見れず、調べ物をしながらブログを書くことすら難しい。
( SIM 開通時にサインを求められた同意書。Google 翻訳を使えば難なく取り込めるのに接続できず。こういう世界なのだ)
② 繋がらないアプリは結構ある
「え?ほんとに?」と思うだろう。百歩譲って Google だけが繋がらないのなら、まだいい方だと思う。
実際には Google 以外にも Facebook 、Twitter 、LINE、Instagram と言った私たちの日常に必須なアプリが全く使えない現状がある。
従って、入国した瞬間に写真を撮って「中国なう」とツイートしたくとも、基本的にはできない。基本的には・・・
中華人民共和国なう。検証用SIMカード購入に時間かかりました。
これは総合的判断なのでは!?と思ってヒヤヒヤしました((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル pic.twitter.com/XI4BsBltIT
— Skyblue (@skyblue_1985jp) 2019年5月8日
って、「ツイートしてるじゃないか!」とツッコミを頂きそうなので、次の項で説明しよう。
②回避方法はあるが、イタチごっこ
回避する方法がないわけではない。他国のインターネット回線に接続できれば、今回のように現地から Twitter や LINE が使えることもある。
香港 SIM で回避を試みた結果、一連の SNS は大丈夫でも Google 関連は検索エンジンから Adsense までがほぼダメだった。
(WordPress は繋がるのに Adsense 管理ができない)
「VPN やローミングがあれば大丈夫」と、多くの人が回避方法を利用するのだが、それらは決して 100 % を保証できるものではない。
実際、去年 12 月はローミングで何でも繋がったが、行動が制限されるかのような規制の強化を感じた。
③それでも発達する超ハイテク産業
日本も含め、世界では GAFA (Google, Amazon, Facebook, Apple) という主要 IT 企業が幅を利かせている。
しかし中国では Google と Facebook は排除され、帝国的侵略と呼ばれる Amazon ですらアリババに勝てず撤退を表明した。
(深センでは AI や IoT、ロボットの展示会も目立つ)
アップルだけは生きているが、ファーウェイの猛追を受けている。
つまり中国はGAFA の支配を受けないどころか、海外で戦える自国企業が育っているのだ。もはや「素晴らしい」と「恐ろしい」が紙一重の状態だ。
最後に
一通り視察を終えたところで、香港へ退散。国境を越えれば、そこは GAFA の世界。皆が iPhone で Google サービスを楽しんでいる。
LINE は繋がるどころか、ショップまで進出する程に馴染みがある。同じ中国でも「中華人民共和国」と「中華人民共和国香港特別行政区」は全く違う。
長くなったが、一度行ってみるといいだろう。香港からは日帰りで行けるし、日本企業には何が足りないかも考えさられる。
そして何より中国最大の電気街、華強北(ファーチャンペイ)のスケールは男子のロマンでしかないはずだ。
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