今年に入って総務省が次から次へとスマートフォン業界への規制を強めている。
端末の割引上限 2 万円をさだめる分離プラン導入にとどまらず、今後はソフトバンクやKDDI が提供する「動画見放題」のサービスが制限されるという。
これはまた物議を醸し出しそうだ。
総務省の主張
総務省は「特定のアプリや通信が無制限になるのは、他のアプリ会社や通信会社が不利になる」と主張するのだが、この問題はソフトバンクの「動画 SNS 放題」をみるとよくわかる。
(MVNO などでも導入される無制限パケットサービスは「ゼロレーティング」と呼ばれる)
同プランでは Youtube や Hulu といった人気アプリにはパケット制限をかけていない。50 GB 契約だがパケットが全く減らない無制限なのだ。
いっぽう、ここで対象外となっている例えば「ニコニコ動画」や「Prime ビデオ」などは 50 GB の範囲内で観なければならない。
つまり動画をみればみるほどパケットを消費して、残り 0 GB になると観れなくなる。
(筆者は Prime ビデオ中毒だが、ソフトバンクの無制限サービス対象外である)
そうなると顧客の中には「Hulu ならパケット無制限だから、ニコニコ動画とか dビデオ解約して Hulu 契約しよう」という人がいても不思議ではない。
総務省は「ネットでビジネス展開する企業にこうした不公平が生じかねない」と主張しているのだ。
ユーザー側の主張
もちろんユーザーとしても黙ってないだろう。ある程度の高いお金を払っているのだから動画が見放題になるのは当然と考えている人もいる。
とくに Youtube はテレビの地上波にかわる勢いを持っており、国民の娯楽になりつつあるものだ。
そうなれば「テレビに代わる毎日の楽しみを総務省が奪っていく」と言われ兼ねないだろう。
とくに今年は台風 15 号や 19 号などといった大災害に見舞われ、都市部にあそびに行きたくともいけない人がいる。
そうした人たちには「無制限で観られる動画」というのは数少ない貴重な娯楽であるはずだ。
最後に・・・
「どうあるべきなのか」に正解などはない。ただし年内に動画見放題を規制するのはいくら何でも早すぎだろう。
「最大 4 割の値下げ」をうたって分離プランを実施した結果、かえって高額になっている人もいて政府への不満はタダですら大きい。
しかも実行させた菅官房長官すら「総務省なめられてんじゃねーの?」と発言するほどに満足していないのだ。
有識者だけでなく国民の声が反映できないものだろうか。少しでも声がとおるなら「せめて被災地の状況が落ち着いてから」などの考慮がほしいものだ。
出典:「動画見放題」通信制限も 総務省が指針案近く公表 年内にも実施
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