米国の制裁をうけ Google との取引中止を余儀なくされたファーウェイは、日本をふくめグローバル市場で苦戦を強いられている。
今まで当然のように搭載してきた Google サービスや Play ストアが一切利用できないからだ。
(Google のない端末第 1 弾としては Mate30 Pro 5G が国内販売されている)
独自ストアの AppGallery 拡充をめざす同社は、数ヵ月かけてようやくファーウェイ版 LINE アプリが 5 月 7 日にリリースした。
さっそく検証しところ、今後のファーウェイを左右する衝撃的な事実が見えてきた。
トーク履歴が引き継げない
検証に利用したのは Google サービス(以下 GMS)のない Mate Xs で、初期化されたクリーンな環境を用意する。
(曲がる端末 Mate Xs。過去レビューはこちらから)
初期設定を終えて画面左上の AppGallery をタップすると、新着アプリとして見慣れたアイコンが出現している。
(LINE 一つ登場させるのに何ヵ月経過しただろうか。出来栄えが良ければいいのだが・・・)
ここからは通常の Android と同様にダウンロードして、電話番号を入力、SMS 認証を経てトーク画面引継ぎまで進む。
ところがここで問題が発生する。トーク履歴は Google ドライブにあるためログインする必要が出てくるのだ。
心配しながら進んでいくと予想が的中。Google へのログイン画面は出現せず「正常に処理できませんでした」というエラーメッセージが出てしまう。
もちろん気にしない人には問題ないだろう。着信や通知の遅延が無くなったので、むしろ実用性は増したと言える。
(ファーウェイ版というより Google 版と何ら変わりはなく利用できる)
だが今回の一件から「Android アプリと GMS は密接である」ことが明らかになってきた。
アプリ開発会社との連携が必須
ファーウェイが今やっているのは、ひとまず AppGallery に Google アプリを集めているだけであり、自社システム(以下 HMS)との連携ができていない。
だからトーク履歴引継ぎ画面もエラーが出るし、すでに用意されたビックカメラアプリすら GMS 認証が取得できず起動しない。
(更新が来ているのに AppGallery では対応できず開かない)
つまり本気で日本市場で挽回するには、ファーウェイの方からアプリ開発者に頭を下げて調整していく必要があるのだ。
しかも一気に進めないとファンは Samsung、OPPO, Xiaomi などの強豪に鞍替えするかもしれない。
最後に
今回の検証は国内版 Mate30 Pro 5G をお借りした上で国内版と海外版での挙動に差がないことまで確認した。
恐らく高い確率で日本未発売の Mate 30 シリーズ、今夏の P40 シリーズにも該当するだろう。
このままでは売り物にならないし、かといって GMS 導入方法をファーウェイが公式に教授するわけにもいかない。
Google Map 以上の地図を用意すると豪語している同社だが、こうした問題にはどう対応してくるのだろうか。。。
予想以上にピンチなことが分かってきた。
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